中国のスマートフォン市場で、NokiaとAppleがせめぎ合い:ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)
NokiaとChina Mobileは、TD-SCDMA対応のスマートフォン「Lumia 920T」を発売すると発表した。この提携により、Nokiaは、現時点でこの市場においてAppleよりも優位に立ったと言えるかもしれない。近く中国で「iPhone 5」を発売するAppleにとっても、China Mobileとの提携が成功へのカギになると考えられる。
ただ、Appleは近々、中国におけるNokiaの顧客を奪うことになるかもしれない。2012年12月14日、Appleは中国国内7カ所の「Apple Store」で、China UnicomとChina Telecomを介して、中国で初めて「iPhone 5」を販売する予定なのだ。
中国には筋金入りのAppleファンが多い。ブランド志向の彼らはiPhoneに対して飽くことのない購買意欲を示している。実際、Appleにとって、既に中国は米国に続く2番目に大きな市場になった。カナダRBC Capital MarketsのアナリストであるAmit Daryanami氏が、最近Forbes誌に語ったところによると、「もし、2013年にAppleとChina Mobileの提携が実現すれば、AppleはChina Mobileの3G通信サービスを利用する顧客のうち13%以上を獲得することができるだろう。2013年だけで1000万〜1600万台のiPhoneを販売できるはずだ」という。
もちろん、China Mobileのユーザーも、iPhoneを購入し、China Mobileの2Gのネットワークで使うこともできる(China Mobileは独自のTD-SCDMAを使用しているので、iPhoneはそのネットワークを使えない)。驚くことに、China Mobileの加入者のうち2000万人が、実際にそのような方法でiPhoneを使っている。
NokiaのLumia 920Tが、iPhoneと同じくらい中国の消費者の心をつかめるかどうかは分からない。だが、今のところNokiaは、世界最大級の通信事業者であるChina Mobileのネットワークを利用できるという意味で、中国では最も有利な立場にいることは間違いない。Nokiaは何としても、このチャンスを逃すべきではないのである。
Lumia 920Tは2012年末に発売を開始する。販売価格は4599元(約6万円)の見込みだ。
China Telecomは、2012年11月20日よりiPhone 5の注文を受け付けている。China Unicomには、これまでに10万台を超えるiPhone 5の予約があったという。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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