Intelが100Gbpsの光モジュールを開発、Open Compute Summitでお披露目:有線通信技術
Intelが100Gbpsのデータ転送速度を実現可能なシリコンフォトニクスベースのモジュールを発表した。そのお披露目の場となった「Open Compute Summit」では各社から、大規模なデータセンター向けのさまざまな革新的技術が発表された。
Facebookの主導によるOpen Compute Projectは2013年1月16日、米カリフォルニア州で「Open Compute Summit」を開催した。その会場では、Intelが100ギガビット/秒(Gbps)のデータ転送速度を実現可能なシリコンフォトニクスベースのモジュールを発表し、参加者を驚かせた。この光モジュールは、今後のサーバ機器の設計を大きく変える技術になるとみられる。
Intelは、シリコンフォトニクス技術に関する同社の取り組みについて、2年前までは沈黙を守っていた。しかしその後、同技術に関する研究グループを独立した事業部門として設立し、Intel内部で運営するベンチャー企業として資金を提供してきた。
Intelによると、「当社は既に、このモジュールのエンジニアリングサンプルを出荷している。サンプルには、Dow Corningと共同で開発したコネクタを同梱している」という。ただし、そのサンプル価格は明らかにされていない。Intelは、「この光モジュールは、今後数カ月以内に正式リリースする予定だ」と述べるにとどめているが、CPUボードやメモリボード、ネットワークカードなどで使用するインターコネクトの規格開発にも取り組んでいるという。また、Intelはこの光モジュールを使用するための設計ガイドも作成しているようだ。
この光モジュールで使用している半導体チップは、Intelの自社工場で製造し、カリフォルニア州サンタクララの同社施設でテストを行っているという。同社のCTO(最高技術責任者)を務めるJustin Rattner氏は、EE Timesのインタビューに対し、「このチップの消費電力は、既存製品の中で最も性能が高い40Gbps品と比べて半分以下に抑えられている」と語っている。その上で同氏は、「当社の100Gbps対応モジュールが対象とする市場は、今後数年の間に10億米ドルの規模を上回るだろう。巨大なデータセンターでの採用が進めば、その市場規模はさらに大きなものになる」と付け加えた。
Open Compute Summitでは、大規模なデータセンター向けのさまざまな革新的な技術が発表された。Intelのモジュールもそのうちの1つにすぎない。例えば、Open Compute Projectは、ボード向けとしては初となる共通スロットのアーキテクチャ仕様を発表した。この仕様はARMのプロセッサまたはx86系プロセッサを採用したサーバ向けSoC(System on Chip)をサポートするという。また、IntelやApplied Micro Circuitsは、PCI Express(×8)スロットに対応可能なボードを発表した。
Applied Micro Circuitsによると、同社のサーバ向け次世代SoC「X-Gene」では、100GbE(100ギガビットイーサネット)をサポートする。製造技術としてはFinFETを採用する予定だとしている。また、Dellが発表したX-Geneベースのシステムは、共通管理ネットワークにおいてx86ベースのサーバと連携して動作するという。
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加えて、Calxedaはハードディスクアレイの制御に使用するストレージ向けサーバボードを発表した。このボードは、同社のARMベースSoCを搭載している。同様に、Intelも「Atom」ベースのSoC「Centerton」を搭載したボードを発表した。
さらに、Mellanox Technologiesは、24台のネットワークインタフェースコントローラと1台のトップオブラック(ToR)スイッチを単一の筺体に組み込んだ新たなシステムを発表した。イーサネットまたはInfinibandを利用することにより、最大56Gbpsのデータ転送速度を実現できるという。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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