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Googleは競合相手ではない? 満を持して検索サービスに参入したFacebookビジネスニュース 企業動向(3/3 ページ)

Facebookが検索サービス「Graph Search」を開始した。当面はβ版での提供となる。FacebookのCEOであるMark Zuckerberg氏は、「Graph Searchは、Googleなどが提供するWeb検索とは根本的に異なる」と語るが、膨大な個人情報を抱えるFacebookの検索機能が、一般的なWeb検索とどのように異なる道をたどるのか、それはまったく分からない。

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Googleは競合相手ではない?

 Googleは既に、基本的な情報に向けたクロスインデックス機能を提供している。例えば、今日が誕生日の友人がいることを知らせるといった機能だ。Rasmussen氏と開発チームは、このようなクロスインデックス機能を飛躍的に拡張すれば、大きなチャンスが広がると考えた。

 自然言語によるクエリー検索機能を実現すべく、Rasmussen氏と開発チームは、さまざまな種類の既存の自然言語ツールの評価を行った。その結果、より高い柔軟性が必要だとして、独自に開発することを決めたという。

 自然言語インタフェースには、クロスリファレンスインデックス用のオープンソースプログラムである「Unicorn」が使われている。Facebookの開発チームは、UnicornやHBaseなどのオープンソースのツールを主に使用することにした。NoSQLデータベースを使用する企業が多いが、Graph Searchではこれを使っていないという。

 Rasmussen氏によると、Graph Search開発チームは、数十名のメンバーで構成されているという。通常、Facebookの開発チームは、迅速に動くことができるよう、数人のメンバーで構成される。Facebookのもう1つのスローガンである「Move fast and break things(迅速な行動が物事を動かす)」が実践されている形だ。

 Graph Searchは、失敗に終わったGoogle Waveと同じような運命をたどるだろうか。

 Rasmussen氏はGoogle Waveについて、「当時、電子メールのヘビーユーザーだった自分自身のニーズを反映させて作成した。だが、自分のニーズが市場のニーズと同じとは限らないということを、認識できていなかった」と述べている。だが、Graph Searchについては、少なくともこの問題はないようだ。Facebookの開発チームは既にコードを確立しており、β版の最初の試験結果を慎重に分析する予定だという。


「Graph SearchはFacebookの第3の柱になる」と語るZuckerberg氏

 Zuckerberg氏は、「Graph Searchは、Web検索機能とは根本的に異なるものだ」と主張する。だが、Facebookが独自の検索機能を開発するということは、Googleと直接競合することになる。しかもFacebookは、Microsoftと協業関係を構築しており、Graph Searchで検索結果が出なかった場合には、Microsoftの検索エンジン「Bing」がWeb検索結果を表示することになっている。

 Zuckerberg氏は、「ユーザーが、Web検索機能を求めてFacebookを利用するようになるとは思っていない。しかし、他の機能と同様に優れた結果を提供できると考えている。Googleとも、Bingとは異なる形で連携できればと考えている」と語った。


記者発表会で質問を受けるZuckerberg氏とRasmussen氏

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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