「2013年はタブレットやUltrabookで巻き返し」――Intelの事業展望:ビジネスニュース 企業動向
Intelの経営幹部が、2013年における同社売上高の予測を発表した。それによれば、同社の業績は今後緩やかに成長する見込みだという。2012年にはPC向け製品の事業で大きな打撃を受けたが、2013年にはタブレット端末向けの製品やUltrabook向けの製品で巻き返しを図る考えだ。
Intelの経営幹部は2013年1月17日、2013年における同社売上高の予測を発表した。それによれば、同社の業績は今後緩やかに成長する見込みだという。ノートPCとタブレット端末の境目があいまいになりつつあることや、同社の新たなチップを搭載する製品が投入されることなどから、売り上げを確保できるとみているようだ。
Intelが発表した2012年第4四半期の同社売上高は、アナリストが以前行った予測値とほぼ一致する結果となった。しかし、利益率については、予測をわずかに下回った。またIntelは、2013年第1四半期の売上高について、前期比で7〜9%減少するとの見通しを明らかにしている。これについて、同社の経営幹部は「季節的な要因によるもの」と説明している。
Intelの社長兼CEO(最高経営責任者)を務めるPaul Otellini氏は、カンファレンスコールで同社の決算報告を行った後、アナリストらを前に、「2013 International CES」(米ネバダ州ラスベガスで2013年1月8〜11日に開催)についても触れた。同氏は、「CESで発表された新型タブレット端末やコンバーチブル式のタブレット型PCを目にして、非常に興奮した」と語っている。同氏は、「CESでは、業界の従来の常識が一新されたことに感動を覚えた。現在では、フォームファクタがあいまいになり、新たなユーザーインタフェースの採用も進むなど、コンピュータ機器には劇的な変化が訪れている。そうした中でも、PCメーカー各社は技術革新を実現している。もはや、PCか、タブレット端末か、という選択にこだわる必要はないだろう」と述べている。
Otellini氏は、Intelの柱とも言えるPC向けのプロセッサ事業部門が、2012年に大きな打撃を受けたことを認めている。これは、ユーザーがPCの代わりにタブレット端末を選択するようになったことから、PCの売上高が大幅に減少したためだとみられる。しかし同氏は、「2013年は、タブレット端末の波に乗り、大きなシェアを獲得したいと考えている。また、超薄型/低消費電力のノート型PC市場に向けては、Ultrabookを強力に推進していきたい」と述べている。
Otellini氏によると、Intelは過去1年の間に、パートナー企業との協業によって、当初は約20種だったUltrabookの機種数を、140種以上に増加させたという。現在では、同社の「Atom」ベースの統合チップ「Clover Trail」を搭載した製品が10機種出荷されている。さらに、今後数カ月の間に数機種が追加される予定だという。
Otellini氏は、「当社は2013年に、新たな製品ポートフォリオを市場に投入する予定だ。同年前半には、22nmプロセスを適用したプロセッサ『Haswell』を投入する。同製品では、アーキテクチャを大きく改良しており、低消費電力化と使い勝手の向上を実現できる」と述べている。
さらにIntelは、22nmプロセスを適用した「Xeon」製品と「Atom」製品を、データセンター市場向けに投入する予定だ。また、タブレット端末やスマートフォン向けとしては初となる、22nmプロセスを採用したSoC(System on Chip)の提供も開始する。そして2013年末にかけては、業界初となる14nmプロセスを適用したチップの開発に着手する予定だとしている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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