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MEMSの潜在市場は畜産業? センサー搭載の乳牛用首輪が登場センシング技術

酪農機器メーカーのDairymasterは、MEMSセンサーを搭載した高性能な畜牛用首輪「MooMonitor」を商品化した。この事例に代表されるように、MEMSセンサーの市場で次なる大きなターゲットとなるのは、畜産業界かもしれない。

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 MEMSセンサーの市場で次なる大きなターゲットとなるのは何だろうか。その1つの候補は畜産業界かもしれない。アイルランドの酪農機器メーカーであるDairymasterは、MEMSセンサーを搭載した高性能な畜牛用首輪「MooMonitor」を商品化した。

 英国農業・園芸開発委員会(AHDB:Agriculture and Horticulture Development Board)によれば、全世界で飼育されている畜牛の数は、2億5000万頭を超える。また、国連食糧農業機関(FAO:Food and Agriculture Organization of the United Nations)によると、羊と豚の飼育数はそれぞれ10億頭以上に上るという。こうした数値から、畜産業界は莫大な規模の市場になり得ることが分かる。Dairymasterは、酪農の分野にMEMSセンサーを導入した先駆的な企業となった。また、スイスのAnemonをはじめとする新興企業は、畜牛だけにとどまらず、ほかの家畜も対象としてMEMSセンサー技術の適用範囲を広げている。

 MEMS製品の開発を手掛ける米A.M.Fitzgerald&Associatesの創設者であるAlissa Fitzgerald氏は、「MEMS業界は、農業およびその関連分野にもっと目を向けるべきだ。農業は、MEMSセンサーに大きな市場機会をもたらす可能性を秘めている」と述べている。

 MooMonitorは、MEMSベースの加速度センサーを搭載しており、牛の活動を監視することができる。RFIDタグも内蔵しているので、牛の居場所を追跡可能であるほか、MooMonitorと連動させて搾乳施設のドアを自動的に開閉することにより、牧場との間を牛が単独で行き来できるようにすることも可能だ。

 Dairymasterは、「MooMonitorの機能の中でも、コスト削減の面でとりわけ威力を発揮するのは、スマートフォンのアプリを利用して牛の排卵日を通知する機能だ」と説明している。同社によると、多くの場合、牛の排卵は夜間に生じるという。そのため、酪農家は、繁殖のために雄牛を掛け合わせるタイミングを逃してしまうことが多い。MooMonitorのアプリを活用すれば、この問題を解決することができる。夜間でも牛の落ち着きのなさや体温などを監視可能なので、どの雌牛にいつ雄牛を掛け合わせればよいのかを、24時間体制で把握できるようになるからだ。これにより、米国の酪農業界だけでも、1年間に3億米ドル以上のコスト削減を見込むことができるという。


DairymasterのMooMonitorを使用すれば、牛の群れを追跡し、1頭1頭の活動を監視することができる。施設のドアを自動的に開閉して牛の出入りを促せるほか、排卵日の検知も行える。出典:Dairymaster

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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