「Foundry 2.0が日本半導体産業を救う」、GLOBALFOUNDRIESのCEOが提案:ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)
大手ファウンドリであるGLOBALFOUNDRIESのCEOを務めるAjit Manocha氏が、厳しい事業環境にさらされている日本の半導体産業に対して、新たな半導体ビジネスモデルとなる「Foundry 2.0」への移行を提案した。
10nmプロセスノードもCNSEなどと共同研究
半導体業界を取り巻く環境が大きく変化する中で、Ajit氏はGLOBALFOUNDRIESの今後の取り組みについても述べた。GLOBALFOUNDRIESは、2007年に65nm、2009年に45nm、2011年に32nmと2年に1度のスケジュールで新しいプロセスノードを開発してきた。「それが最近では、1年で1ノードを開発するようになっている」という。こうした中で、同社は4つの技術課題にチャレンジしている。それは、FDSOI(Fully Depleted Silicon-on-Insulator:完全空乏型SOI)やFinFET(立体構造トランジスタ)など「新しいデバイス・アーキテクチャへの対応」、2.5D/3D構造などの「パッケージング技術」、そして「450mmウエハーへの移行」、「EUV(極端紫外線)リソグラフィ技術の導入に伴うコスト対策」である。
技術革新への取り組みの一環として、共同開発の拠点となるテクノロジ開発センター(TDC)を米国ニューヨーク州にあるSaratoga Countyの「Fab8」構内に立ち上げた。TDCには20億米ドルを投資した。フォトマスクからウエハー処理、パッケージングまでのR&Dエコシステムを強化するのが狙いだ。
また、300mmウエハーを用いた量産拠点は3カ所にある。32nm/28nmに対応し月間6万ウエハーの処理能力を持つFab8、45nmまで対応可能で月間8万ウエハーの処理能力を備えるドイツの「Fab1」、そして40nm〜130nmに対応し月間5万ウエハーの処理能力を持つシンガポールの「Fab7」である。
さらに、2015年ごろに実用化が見込まれている10nmのプロセスノードに対しても、共同で開発に乗り出す。例えば米CNSE(College of Nanoscale Science and Engineering)やベルギーIMEC(Inter-University Microelectronics Center)、シンガポールIME(Institute of Microelectronics)などの研究機関と共同開発していく。
2013年の設備投資は45億米ドルを計画
この他、28nm製品ビジネスの現状や設備投資計画、450mmウエハーの導入時期などについて、Ajit氏は以下のように述べた。
「28nm世代のビジネスは後手に回ったが、いま急速にキャッチアップしている。2011年に展開し、現在100製品のテープアウトを終えた。すでに量産も始めており、昨年の業績にも反映されている。先行する他社を追従する技術は持ち合わせている。特に32nmで培った高誘電率膜/金属ゲート(HKMG)の技術があり、これを28nm世代にも適用していく」
「2012年の設備投資は総額で35億米ドル(約3270億円)行った。2013年は3カ所の先端工場の能力増強に向けて総額45億米ドル(約4200億円)を計画している。2010年から2012年の累計投資額は120億米ドル(約1兆1200億円)となった」
「450mmウエハーの実用化は2017年〜2019年ごろになるだろう。GLOBALFOUNDRIESも、450mmウエハーの規格策定団体であるグローバル450コンソーシアムのメンバーである。先頭を切って導入することはないが、最後になることもない。次の新しい工場には、450mmウエハーに対応できる設備を導入することになろう」
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