「入院患者の治癒力を高められる」、病院内で昼夜変化を再現する照明システム:LED/発光デバイス LED照明(2/2 ページ)
病院向け照明システム「スマートホスピタルライティングシステム」は、LED照明器具の光色を制御することで、入院患者が室内にいても「日の出」や「日中」、「夕方」などの昼夜変化を疑似体感できる。その変化を再現することによって、入院患者が生体リズムを維持することができれば、治癒力が高まり、治療の一助となる可能性もあるという。
3種類の無線モジュールを内蔵
照明制御用Gateway装置は、3種類の無線モジュールを内蔵している。まず、電池レス無線スイッチからの入力を「EnOcean」モジュールで受信する。その入力情報に基づき、ZigBeeモジュールを介して、照明器具を制御する。制御パターンの設定、シーンのスケジューリングなどは、Wi-Fiモジュールを使って外部のPCやタブレット端末などから入力することができる。Wi-Fiが使用できないときに有線でも対応できるようにイーサネットのポートも用意してある。村田製作所は、照明制御用Gateway装置の量産を2013年内に始める予定だ。
左に照明制御用Gateway装置と電池レス無線スイッチの外観を示す。照明制御用Gateway装置の外形寸法は173×130×32mm。調光遷移時間は1秒〜60分である。3種類の無線モジュールを内蔵した理由について、村田製作所では「調光用配線が不要でスイッチの増設も容易」と説明する。レイアウト変更などの頻度が高ければ、工事期間や工事費用の点でもメリットは大きいという。
今回開発したスマートホスピタルライティングシステムでは、上述した通り、1日の中で5つのシーンを再現できるようにした。今後の展開については、5つのシーンにおける色温度の最適化をさらに追及していくとともに、四季における光色変化を考慮したシーンへの対応、日の出/日の入り時刻や光量の違いなど地域差を考慮したシーンへの対応、顧客の要求に基づいたシーン数の増減、といった課題に取り組んでいく計画である。
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