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「Cisco ONE」の普及を加速、シスコが「SDN応用技術室」を設置ビジネスニュース 企業動向

シスコシステムズは「SDN応用技術室」を開設した。「Cisco Open Network Environment(Cisco ONE)」の普及を加速していくための技術支援を行いつつ、ユースケースやエコシステムの開発支援など、顧客に対するサポート体制をさらに強化していく。

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シスコの執行役員を務める吉野正則氏

 Cisco Systemsの日本法人であるシスコシステムズ(以下、シスコ)は2013年4月23日、Software Defined Networking(SDN)を実現するためのオープンネットワーク環境である「Cisco Open Network Environment(Cisco ONE)」の進捗状況や、日本での取り組みなどについて、東京都内で説明した。日本では「SDN応用技術室」を設けて、Cisco ONEの普及を加速していくための技術支援を行いつつ、ユースケースやエコシステムの開発支援など、顧客に対するサポート体制をさらに強化していく計画だ。

 シスコは2012年6月にCisco ONEの戦略を発表した。Cisco ONEを実現するために、同社のOSやネットワーク機器にアクセスできるAPI(Application Programming Interface)セットを提供するソフトウェア開発キット「One Platform Kit(onePK)」や、SDNを研究するためのPoC(Proof of Concept)用のコントローラソフトウェアとOpenFlowエージェントなどを提供している。スケーラブルな仮想オーバーレイネットワークを実現することができる仮想スイッチ「Cisco Nexus 1000V」なども用意している。


テレビ会議で説明会に参加したCisco Systemsのバイスプレジデントで、SPチーフアーキテクト兼CTOを務めるDavid Ward氏

 Cisco ONEは、これまでに全世界で50社を超える企業が試験導入し、アプリケーションの開発やシステムの検証を行っているという。説明会にテレビ会議で参加した米Cisco Systemsのバイスプレジデントで、SP(サービスプロバイダー)チーフアーキテクト兼CTO(最高技術責任者)を務めるDavid Ward氏は、「試験導入した企業は、大手のサービスプロバイダーや通信業者をはじめ、データセンター、システムインテグレータ、金融機関、大手ソーシャルメディア/コンテンツ企業など、幅広い分野にわたっているのが特長の1つだ」と強調する。

 さらにWard氏は、「SDNが対象とするのはデータセンターの中だけではない。複数のドメインにまたがっている。重要なのはネットワーク全体のプログラマビリティであり、コントローラやオーケストレーション、サービス、アプリケーションのエコシステムである」と話す。同社はこれからのネットワーク環境について、「コンピューティング、ストレージ、ネットワーキングの統合が必要である。単にSDNを実現するだけでなく、サービス保証を伴うワークロードや問題解決に向けた管理が重要となる」との考え方を明確にしている。


シスコの執行役員を務める吉野正則氏

 引き続き、シスコの執行役員を務める吉野正則氏が登壇し、「国内におけるCisco ONEの取り組み」について述べ、「日本では、エヌ・ティ・ティ・データや情報通信研究機構、NTTネットワーク サービスシステム研究所を含め7組織が、onePKのCA(Controlled Availability)版を用いて、実証実験や検証を行っている」と語った。日本法人には、Cisco ONEの普及を推進していく組織として、「SDN応用技術室」を新たに設置した。専任のプログラムマネージャやシステムエンジニアなどを配置し、応用例やユーザー事例などの開発支援を行っていく予定である。

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