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次世代住宅に向けた技術が集結、横浜スマートコミュニティがモデルハウスを落成エネルギー技術

横浜スマートコミュニティは、次世代住宅に向けた技術の開発、実証の場として「スマートセル」と呼ぶモデルハウスを落成した。最新のエネルギー制御システムなども導入され、未来の住宅を垣間見ることができる。

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 横浜スマートコミュニティは2013年4月26日、自然との融和やエネルギー循環型の社会システムを目指したコミュニティモデルを追求、実証する場として「スマートセル」と呼ぶモデルハウスを完成させ、運用を開始した。ドアやガラス、コンクリートといった建材から、空調や照明、さらにはエネルギー管理システムなど参加企業が持ち寄った次世代住宅向け技術、製品が使われている。

 同コミュニティは、「本当に豊かで充実した社会生活のためには、自然に学ぶことが重要である」との理念を掲げ、自然エネルギーを実生活に取り入れ、真に有効活用ができる技術の確立などをめざす。現在、横浜市内の企業を中心に82の企業、団体が参加。エレクトロニクス業界、建築/建材業界を中心に、農業や食品などの企業も参加する上、村田製作所、安藤ハザマなど大手企業から従業員数人規模の中小企業まで、多様な企業が同じ組織で活動している点も特徴になっている。


完成した「スマートセル」の外観 (クリックで拡大)

 この日、完成したスマートセルは、次世代コミュニティモデルの研究、実験ハウスとして位置付け、2011年6月の発足以来、進めてきた大型プロジェクト。地元横浜市の協力を得て住宅展示場「TVKハウジングプラザ横浜」内の100坪を借り受け、参加企業が建築費用(約2700万円)や建設機材、機器を持ち寄ることで実現した。そのため同コミュニティの代表を務めるdSPACE Japan社長の有馬仁志氏は「建築費用以外の費用は把握できず、総工費は分からない」という。

 スマートセルを構成する技術は大きく分けて、断熱や自然通風など自然を生かす「パッシブ技術」と、エネルギーを制御する「アクティブ技術」に加え、さまざまな技術を組み合わせ環境負荷の少ないエネルギーシステムを開発する「モデルベース開発技術」の3つがあるという。

「スマートセル」構成する技術(左)と、エネルギーシステムの構成図 (クリックで拡大)

 スマートセルの中核に位置するのが、村田製作所が開発したエネルギーシステムだ。スマートセルの電源は、系統電力と太陽光発電システム、蓄電池の3つがあり、電力使用量や太陽光発電システムの発電具合、蓄電池の充電状況などを踏まえて、どの電源をどの程度使用するかを判断して、制御する。停電時には、系統電力を切断し、太陽光、蓄電池のみの自立運転に自動切り替えするなどの機能を持つ。同システムは複数の双方向DC-DCコンバータ、双方向DC-ACコンバータを搭載し、定格出力は3kWという。蓄電池には容量2kWhの鉛蓄電池を使用している。クラウドサービスとも連携し、タブレット端末などで発電状況や電力使用量などをモニタリングできる。

設置されたエネルギーシステム(左)と、「スマートセル」のエネルギー使用状況などがリアルタイムで表示されるタブレット端末 (クリックで拡大)

 空調設備には、ラジエーターを使用した「光冷暖システム」(AnnyGroup製)が使われ、気流が発生しない、新しい形の空調が体感できる。屋外にも電気自動車充電スタンド(スターエンジニアリング製)などを設置している。

 パッシブ技術分野でも、太陽の光を室内に取り入れ、昼間の照明として活用する「太陽光照明システム」(井之商製)や、断熱/遮熱ガラス(日本板硝子環境アメニティ製)などを使用している。

 有馬氏は「スマートセル全体として、どれくらい省エネ化するなどの目標は、あえて設けていない。各参加企業がそれぞれ、スマートセルを活用し開発、実証を進め、それぞれの事業につなげていければよい」と語っている。

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