タブレット出荷台数、2015年にPCを上回る見込み:ビジネスニュース 業界動向
タブレット端末の出荷台数がノートPCを抜く日は近いようだ。勢いに乗るタブレット端末に比べ、PC市場は縮小が続くと予想されている。とはいえ、ビジネスユーザーの間では、やはりタブレット端末よりもPCが好まれる傾向があるという。
米国の市場調査会社であるIDC(International Data Corporation)によると、2013年における世界PC出荷台数は、前年比で約8%減少する見込みだという。主な要因の1つとしては、消費者の好みがスマートフォンやタブレットに移行していることが挙げられる。
IDCが以前に発表していた予測では、2013年のPC出荷台数は、前年比で1%強の減少となる見込みだった。しかし、今回の最新予測は、それを上回る減少幅となった。2012年の世界PC出荷台数は、2001年以来初めて減少に転じた。2014年の世界PC出荷台数は、さらに1.2%減少する見込みだという。
IDCでWorldwide PC Tracker Program部門のバイスプレジデントを務めるLoren Loverde氏は、発表資料の中で、「PC市場の発展に伴い、PCの使い方が変化してきた」と述べている。
IDCによると、タブレット端末の世界出荷台数は、2012年には1億4450万台だったが、2013年はその約59%増となる2億2900万台に達する見込みだ。タブレット端末の出荷台数は、2013年にノートPCを上回り、2015年にはPC全体(デスクトップPC+ノートPC)の総出荷台数も上回る見込みだという。
IDCのモビリティトラッカー部門においてプログラムマネジャーを務めるRyan Reith氏は、発表資料の中で、「PCに対するユーザーの意識は、著しく変化している。とはいえ、PCは、特にビジネスユーザーの間で引き続き重要な役割を担うだろう。一方で、多くの一般ユーザーにとってタブレット端末は、かつてPCで行っていた主要な作業を、シンプルかつ簡単に行うことができるソリューションとなっている」と述べている。
Loverde氏によると、「ユーザーの多くは、インターネットへのアクセスや、ソーシャルメディアの利用、電子メールの送受信、各種アプリケーションの利用といった日常的な作業において、高性能すぎる処理能力や大容量すぎるローカルストレージは不要だと考えている」という。
同氏は、「ユーザーが重視しているのは、アクセス性や電池寿命の長さ、起動の速さ、直感的なインタフェースを備えたタッチパネルなどだ。しかし、このようなユーザーがPCに見切りを付けたわけではない。よりセキュアで堅牢な環境での作業が必要なときには、やはりスマートフォンやタブレット端末よりもPCを好む傾向にある。ただし、PCをこうした目的で使用する時間は確実に短くなっている上に、わざわざ新しいPCを購入するのではなく、手持ちのPCで済ませているようだ」と付け加えた。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
関連キーワード
PC | タブレット/iPad 市場動向 | タブレット | タブレットPC | PC市場 | IDC | 業界動向(エレクトロニクス) | ビジネスニュース(EE Times Japan)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- PC出荷台数の減少傾向止まらず、タブレットは大幅成長
PC、タブレット端末、携帯電話機の総出荷台数は、今後も大きく伸びると予測されている。ただし、その内訳を見ると、PCは減少傾向にあり、反対にタブレット端末と携帯電話機は大幅な成長が見込まれている。 - AndroidノートPCの時代がやってくる?
Appleの「iPad」のように、製品のコンセプト自体が新しくなくても、市場投入のタイミングさえ間違わなければ、大ヒットを飛ばせる可能性はある。今、Googleでは、Chrome OSやAndroidを搭載したノートPCのような新製品の開発に向けて、機運が高まっているという。 - 「Windows 8」が悪影響? 2013年Q1のPC出荷台数が大幅減
発売前から、「PC市場の救世主になるのか」という議論が尽きなかったMicrosoftの「Windows 8」。タッチパネル対応などを評価する声はあるものの、あまりに変わり過ぎたUI(ユーザーインタフェース)に戸惑いを覚えたユーザーも多かったようだ。アナリストは、こうした理由から、PC離れがさらに加速し、同市場の落ち込みを招いたと指摘する。