決め手は魅力的な価格設定? SamsungがIntelの「Atom」を採用:ビジネスニュース
Intelが、Samsung Electronicsの低価格タブレット端末のCPUでデザインウィンを獲得した。魅力的な価格設定が決め手になったと言われている。モバイル市場でのシェア拡大を狙うIntelにとって、大きな一歩となるだろう。
ロイター通信(Reuters)とThe Korea Timesは、Samsung Electronicsの低価格帯のAndroidタブレット端末に、Intelの「Atom」プロセッサが搭載されると報じた。
Reutersの報道によると、Samsungは、「GALAXY Tab 3 10.1」の少なくとも1つのバージョンにIntelの「Clover Trail」を搭載するという。Clover Trailは、32nmCMOSプロセス技術を適用したAtomプロセッサである。
PC市場では王者のIntelだが、携帯電話機やタブレット端末の分野では苦戦している。Intelにとって、同社のプロセッサがモバイルコンューティング市場に採用されることは、大きな意味を持つ。しかし、Samsung自身も、「Exynos」のブランド名でモバイル向けプロセッサを独自開発しているため、今回のIntelプロセッサの採用は珍しいことだ。
The Korea Timesは、「Intelは、魅力的な価格設定と設計面での協力を条件に、デザインウィンを獲得した」と伝えている。
同紙は、Samsungの研究スタッフによる匿名コメントとして、「Samsungは最近、Exynosプロセッサの生産量を安定させるため、プロセッサの調達チャネルを増やしている。このため、より望ましい価格設定で、可能な限り多くのプロセッサを確保したい考えだ」と伝えている。
また、The Korea Timesは、Intelの韓国人スタッフが匿名を条件に、「Intelは、Atomプロセッサの設計エンジニアの数を6名から50名に増やした。彼らのほとんどは、Samsung関連のプロジェクトに所属し、Samsung製品に搭載するためのチップのカスタマイズ作業を行っている」とコメントしたと伝えている。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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