Clover Trail+の性能「ARMプロセッサよりも上」、調査会社が主張:プロセッサ/マイコン
米国のABI Researchは、Intelの「Clover Trail+」を搭載したプロセッサと、ARMプロセッサについて、ベンチマークテストを実施した。その結果、Clover Trail+プロセッサの性能が優れていることが分かったという。
米国の市場調査会社であるABI Researchによると、Intelのスマートフォン向けアプリケーションプロセッサ「Z2580(開発コード名:Clover Trail+)」は、ベンチマークテストにおいて、競合他社のプロセッサを上回る性能を実証したという。
ABI Researchによると、「Intelは、Z2580の消費電力量を大幅に削減することに成功した。ARMアーキテクチャをベースとした他社製品と比べて、同程度またはそれを下回る低消費電力を実現している」という。
またABI Researchは、「Z2580は、ハイエンドスマートフォン向けとしての性能要件も満たしていることから、Intelは今後数年間、力強い成長が見込まれる」と予測する。
今回行われたベンチマークテストでは、Lenovoのスマートフォン「IdeaPhone K900」と、Samsung Electronicsのスマートフォンシリーズとを比較したという。IdeaPhone K900は、IntelのZ2580と「XMM6360」モデムを搭載している。一方、比較対象としたSamsungのスマートフォンは、NVIDIA、Qualcomm、SamsungのARMベースのアプリケーションプロセッサを搭載している。
Mielke氏は、「IntelのハイエンドモデムXMM6360は、IdeaPhone K900やSamsungの『Galaxy S4(i9500モデル)』でも採用されている。Intelは、XMM6360と高性能プロセッサ、そしてEDGE対応チップを組み合わせることで、完全なポートフォリオを備えたプロバイダとしての地位を確立した」と説明する。
下記の表は、IntelのZ2580と、Samsung、Qualcomm、NVIDIAのプロセッサの性能を比較したものである。なお、調査結果の要約は、ABI ResearchのWebサイトで読むことができる。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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