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「Google Glass」にまつわる11の覚書:ビジネスニュース(2/2 ページ)
スマートグラス市場の火付け役として期待されている「Google Glass」。プロトタイプを使って使用方法のアイデアを募るプロジェクトには、多くの開発者が参加を申し込んだという。詳細があまり明かされていないGoogle Glassだが、筆者はGoogleの開発者向けイベント「Google I/O」で少しだけ情報を入手することができた。
Google Glassの仕様の詳細はほとんど公表されていないが、「Google I/O」で筆者が入手したいくつかの情報を紹介しよう。
- Google Glassは、米国Woodman Labsの「GoPro」のようなアクションカメラではない。開発者いわく、「Google Glassのディスプレイは、640×360画素だ」という。ユーザーは、7フィート(約2m)先の少し上の方に画像が投影されているように感じるそうだ
- Google Glassを装着したあるユーザーは、「文字が読みにくいため、Webページの表示には向かないのでは」と指摘した。Google Glassでは、黒い背景に白い大きな文字が表示されるようになっているという
- これに対し、Googleの開発者は、「Google Glassは、マイクロインタラクション(簡潔なアクティビティ)体験ができるように設計されている」と回答していた。筆者は、Google Glassは、文字情報はこのようにしか表示できないのでは、と思っている
- Google Glassのバッテリは1日もつ。しかし、Explorer Programに参加する開発者からは、より充電量の多いバッテリを望む声が上がっていた
- Google Glassは、Android 4.0.1(開発コード名:Ice Cream Sandwich)をベースとしている。Bluetoothと無線LAN(Wi-Fi)の通信が可能で、マイクロUSBポートを備えている
- Android端末向けに、Google Glassのシミュレータを発表する予定はない。Google GlassとAPI(Application Programming Interface)を体感する唯一の方法は、1500米ドルを支払って、守秘義務契約書にサインし、Explorer Programに参加することだ
- Googleは当初、Google Glassの本体機能を月1回のペースでアップデートしていたが、現在はほとんど行われていない。ソフトウェアのアップデートは現在も、30日ごとに行われている
顔認識、盗撮……プライバシーの問題は?
- プライバシーの問題が設計に大きく影響している(議会はこの問題について、Googleに公開質問状を送っている)
- 想定されるGoogleの回答1:現在の製品計画では、顔認識機能を搭載する予定はない。試作機の調整を重ね、プライバシーの侵害については問題のない製品となっている。顔認識機能の搭載が、ユーザーにとってメリットとなるかどうかを確認した上で、プライバシーの問題についても真摯(しんし)に対応していく
- 想定されるGoogleの回答2:Google Glassのユーザーが写真や動画を撮影するには、Google Glassのボタンを押す、あるいは「OK Glass, take a picture(写真を撮って)」と命令するなど、周囲からはっきりと分かる指示を出さなければならない。また、撮影していることが周囲からも分かるように、撮影中はディスプレイがライトアップされる。もちろん、撮影するには被写体に視線を合わせなければならないので、周囲に気付かれずこっそりと撮影することはできない
- 想定されるGoogleの回答3:近くにいる人にも有益な情報を提供するなど、Google Glassのユーザーに規範を求めていきたい。動画配信サイトの「YouTube」でそうした場面を流すことで、プライバシー侵害の懸念を払しょくしたい
【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】
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