Xbox 360の最終形は、ある意味“初代Xbox One”だった:製品解剖
Microsoftが2013年6月に発表し、北米で発売を開始したゲーム機「Xbox 360 E」。この後には「Xbox One」の発売が控えている。Xbox 360 Eを分解したiFixitは、「Xbox 360 Eは、ある意味“初代Xbox One”とも言えるだろう」と、その印象について述べている。
Microsoftは、2013年内に発売が予定されているゲーム機「Xbox One」で、本体の外見をガラリと変えてきた。そこで、無償の修理マニュアルや製品分解の様子を公開している米国のiFixitは、現行の「Xbox 360」の最新版となる「Xbox 360 E」の分解を行ったという。Xbox 360Eは、米国カリフォルニア州で開催されたゲームビジネスショー「E3 2013」(2013年6月11〜13日)で発表されたモデルである。2013年6月11日に北米で発売を開始している。
iFixitは、Xbox 360 Eについて、「Xbox 360シリーズの最終機種だと思われるが、本体のデザインはXbox Oneに似ており、ある意味“初代Xbox One”とも言えるだろう」と述べている。「Xbox 360 Eは、Xbox 360シリーズの最終形なので、これまでのXbox 360シリーズに比べて大きな変更があるとは思えなかった。ただし、分解のしやすさ(すなわち修理のしやすさ)については興味があったので、実際に分解に取り組んだ」(iFixit)。
Xbox 360を一度でも使用したことがあるなら知っていると思うが、Xbox 360は、本体が急激に熱くなることがある。Microsoftは、Xbox 360 Eの1つ前の世代である「Xbox 360 S」で、プロセッサの再設計とヒートシンクの変更を行い、この発熱問題を乗り越えた。Xbox 360 Eでも同様の放熱システムを採用しているようだ。
Xbox 360 Eのマザーボード
- GlobalFoundriesのSoC「XCGPU」(CPU「Xenon」とGPU「Xenos X818337」が同一ダイに実装されている。このダイとeDRAMが1パッケージに集積されている):赤い囲み
- MicrosoftのSouth Bridge IC「X850744-004」:オレンジの囲み
- SK Hynixの120MビットNAND型フラッシュメモリ「HY27US08281A」:黄色の囲み
- Samsung Electronicsの1GビットGDDR3 SDRAM「K4J10324KG-HC14」:緑色の囲み
iFixitによれば、Xbox 360 Eは、Xbox 360 Sに比べて極めて分解しやすかったという。「モジュール群の設計が高度で、ヒートシンクやWi-Fiカードなどの個々の部品の取り外しが簡単だった」(iFixit)。同社は、修理しやすい度合いについて、10段階中8を付けている(数字が高いほど修理しやすい)。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
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