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米大学が“3Dグラフェン”を開発、太陽電池の低コスト化を進める鍵に:材料技術
色素増感太陽電池に使われる白金電極は、太陽電池のコストを上げる要因の1つだ。その白金の代替材料になり得る、3次元構造のグラフェンを米大学が開発した。グラフェンを酸化リチウムなどと反応させることで、3次元構造にするという。
色素増感太陽電池において、高価な白金材料を使わずに済む日がくるかもしれない。米国ミシガン工科大学の研究チームが、より低コストで伝導性に優れた代替材料として、3Dグラフェンを使用可能であることを突き止めた。
同大学の教授であるYun Hang Hu氏によると、「炭素原子のシート(つまり2次元)であるグラフェンを化学反応によって3次元化させると、伝導性が大きく高まり、色素増感太陽電池の白金電極の置き換えに適した物質になった」という。
シート状のグラフェンを、酸化リチウムと一酸化炭素を反応させると3次元化する。その後、酸化リチウムと一酸化炭素の化合物である炭酸リチウムを酸で洗い流して、3次元グラフェンから取り除くという。
Hu教授が、白金の代わりに3Dグラフェンを用いた電極を使って、色素増感太陽電池を試作したところ、白金電極を用いた場合に比べて変換効率は2.5%ほど低かったという。ただし、白金を用いる場合に比べて電極のコストははるかに低くなる。
Hu教授は現在、太陽電池の設計を最適化して変換効率を高める研究や、“3次元グラフェン電極”を用いた新しい用途の開発などに取り組んでいる。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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