2013年7月の半導体売上高、日本市場は6月比8%増で明るい兆し:ビジネスニュース 業界動向
世界半導体売上高は、2013年7月に急成長した。特に南北アメリカ市場が好調だ。日本は前年同期比では18.6%減少したものの、2013年6月比では約8%増と、他の地域に比べて最も高かった。
半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)によると、2013年7月の世界半導体売上高は、米国市場が日本市場の低迷を相殺するほどの急成長を記録し、2012年7月に比べて21.5%増加した。日本の半導体市場も約8%増加し、明るい兆しが見えている。
なお、SIAは、世界半導体市場統計(WSTS:World Semiconductor Trade Statistics)が集計した売上高データに基づいて、世界半導体売上高を発表している。
2013年7月の世界半導体売上高(3カ月平均値)は255億3000万米ドル。ノルウェーの投資銀行であるCarnegieのあるアナリストは249億米ドルと予測していたが、それをはるかに上回った。
WSTSは2013年6月に、同年における世界半導体売上高の成長率を下方修正している(関連記事:2013〜2014年の世界半導体売上高、前年比で増加の見込み)。また、半導体市場では、在庫調整が行われた場合の影響が懸念され、スマートフォンやタブレット端末の需要が減速している。こうした状況にもかかわらず、WSTSの最新データは、半導体市場の成長が7月に加速したことを示している。
地域別に見ると、南北アメリカ市場(米国市場が大部分を占める)の売上高が前年同期比で21.5%増加した。一方で日本市場は18.6%減少している。これは、円の切り下げや、日本の半導体企業が再建や売却を実施した影響によるものだ。
ただし、直近のデータを見ると、日本市場は回復傾向にあることが分かる。日本市場における2013年7月の半導体売上高は、2013年6月に比べて7.9%増加している。
SIAのプレジデント兼CEO(最高経営責任者)を務めるBrian Toohey氏は、プレスリリースの中で、「2013年7月は、全ての地域と全ての製品カテゴリにおいて、前月比で売上高が増加した。マクロ経済指標からも、2013年後半も引き続き成長することが予想される」と述べている。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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