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ブロードコムはウェアラブル機器に焦点――多様な無線技術への対応を加速ビジネスニュース 企業動向

ブロードコムは、さまざまな電子機器にインターネット接続機能を容易に実装するための無線通信技術基盤「WICED(Wireless Internet Connectivity for Embedded Devices)」について、ウェアラブル機器にフォーカスしてWICEDの機能を拡充する。

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ウェアラブル機器にフォーカスするブロードコムのWICED製品

 ブロードコムは2013年9月12日、さまざまな電子機器にインターネット接続機能を容易に実装するための無線通信技術基盤「WICED(Wireless Internet Connectivity for Embedded Devices)」の取り組みについて、東京都内で記者説明会を行った。ブロードコムでは、今後のインターネット通信について、スマートフォンをハブとして多くのウェアラブル機器が接続される、とみている。このため、需要の拡大が期待されるウェアラブル機器にフォーカスしてWICEDの機能を拡充していく。

Wi-Fi Direct、NFC、GPSも新たにカバー

 WICEDでは、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を実現する通信手段として、「Wi-Fi」や「Bluetooth Smart」といった無線通信技術をサポートしてきた。今回はこれらの通信技術に加えて、「Wi-Fi Direct」や「NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)」、「GPS(Global Positioning System)」などの無線接続技術も新たにカバーした。

 特にWi-Fi Directは、アクセスポイントなどがなくてもWi-Fi Direct規格に対応した機器同士であれば直接相互通信できる仕様である。これらの技術を用いることによって、スマートフォンを介してクラウドシステムとシームレスに通信できるウェアラブル製品を容易に開発することが可能になるという。さらに、機器の小型化や低消費電力化はもとより、ファッション性も含めて、さまざまなニーズに対応するウェアラブル機器の開発を支援していく考えだ。


IoTの実現に向けてブロードコムが提唱する「WICED」製品 (クリックで拡大)、出典:ブロードコム

ウェアラブル機器は、スマートフォンが窓口になってクラウドにつながる


ブロードコムでワイヤレスコネクティビティコンボエンベデッドワイヤレスのシニアディレクタを務めるBrian G.Bedrosian氏

 ブロードコムでワイヤレスコネクティビティコンボエンベデッドワイヤレスのシニアディレクタを務めるBrian G.Bedrosian氏は、「これまでの10年で50億人がインターネットに接続するようになった。今後の10年間では500億個の『モノ』がインターネットにつながるようになるだろう」と話す。例えば、ヘルスケアやフィットネスなどの用途に向けたウェアラブル製品は2013年に約1500万台の販売が見込まれている。さらに2017年には7000万台に達すると予測されている。

 Bedrosian氏は、インターネット市場の変化を加速している理由の1つとして、一般消費者のライフスタイルにおいてスマートフォンがその中心になってきたことを挙げる。「インターネットの市場が急拡大した背景には、スマートフォンの存在が大きい。今後はスマートフォンやタブレット端末がネットワークのハブとなって、ウェアラブル機器がインターネットに接続されることになろう。さらに、スマートフォンが窓口となってクラウドシステムにつながる」と語った。


IoTにおける市場の要求 (クリックで拡大)、出典:ブロードコム

 こうしたインターネット市場の変化に対してブロードコムは、無線通信部を容易に開発するための技術基盤であるWICED製品において、ウェアラブル機器とスマートフォンの接続に有効と思われるWi-Fi DirectやNFC、GPSといった技術にも新たに対応した。これらの技術基盤を活用することによって、IoTを実現するウェアラブル機器の開発が一段と加速される可能性が出てきた。

 なお、WICED製品には、無線モジュールの主要な機能を集積したSoCチップやソフトウエア、開発ツールおよび関連する設計情報などが含まれている。

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