iPhone 5s搭載「M7コプロセッサ」はNXP製マイコン――Chipworksが分解:製品解剖(1/2 ページ)
Chipworksが「iPhone 5s」の分解報告書を公表し、iPhone 5sのメインプロセッサ「A7プロセッサ」はサムスン電子が製造し、「M7コプロセッサ」はNXPセミコンダクターズ製マイコンだったとした。
Chipworksによると、「iPhone 5s」に搭載されるメインプロセッサ「A7プロセッサ」はサムスン電子が製造し、「M7コプロセッサ」はNXPセミコンダクターズ(以下、NXP)製マイコンだったという。iPhone 5sは、Apple(アップル)が2013年9月20日に発売した新型スマートフォン。ChipworksがiPhone 5sの分解を試み、その報告書を公表した。
Chipworksのアナリストは報告書で、「“M7”をiPhone 5sの内蔵基板上で見つけることは非常に困難だった」としながらも、「幸いにも、われわれは、“LPC18A1”という型番のM7を見いだすことができた。このLPC18A1は、NXPのARM Cortex-M3コア搭載マイコン“LPC1800シリーズ”のデバイスだ」とした。そして、「これは、NXPにとって大きな勝利である」と付け加えている。
M7コプロセッサは、加速度センサー、ジャイロセンサー、電子コンパスなどの各種センサーを制御するデバイスである。Chipworksは、「アップルは伝統的に加速度センサー、ジャイロセンサーについてはSTマイクロエレクトロニクス製品、電子コンパスは旭化成マイクロデバイス(以下、AKM)製品を使用する」と指摘し、「われわれは、既にAKMの『AK8963』という電子コンパスを確認した」と報告している。
Chipworksのアナリストの見解が正しければ、これまでM7コプロセッサが“アップル独自のカスタムチップ”とされてきた推測は間違っていたことになる。M7は、恐らくNXPがデザインした製品の一部をカスタマイズした派生的なデバイスだと思われる。
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