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SiCとリカロイという2つの新材料で、DC-DCコンバータのサイズが従来比1/10にCEATEC 2013

アルプス・グリーンデバイスとローム、Mywayプラスの3社は、「CEATEC JAPAN 2013」で、新たに開発した小型双方向DC-DCコンバータの展示を実施した。パワー素子にロームのSiCデバイスと、リアクトルにアルプス・グリーンデバイスのリカロイトロイダルコアを使用するなどし、従来のDC-DCコンバータに比べて1/10のサイズ、1/5の重量を実現した。

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 アルプス・グリーンデバイスとローム、Mywayプラスの3社は、「CEATEC JAPAN 2013」(2013年10月1日〜5日、幕張メッセ)で、2013年10月下旬発売予定の小型双方向DC-DCコンバータの展示を実施した。パワー素子にロームのSiC(炭化ケイ素)デバイスと、リアクトルにアルプス・グリーンデバイスのリカロイトロイダルコアを使用するなどし、従来のDC-DCコンバータに比べて1/10のサイズ、1/5の重量を実現した。


開発した双方向DC-DCコンバータの応用イメージ (クリックで拡大) 出典:Mywayプラス

 3社が共同開発した双方向DC-DCコンバータは、太陽光発電パネルと蓄電池を接続するパワーコンディショナー(PCS)用途などに向けた組み込み用電力変換モジュール。キーデバイスとなるパワー素子には、ロームが開発したSiCデバイス(SiCダイオードとSiC-MOSFET)を使用した。次世代パワーデバイスと位置付けられるSiCデバイスは、電力変換回路のスイッチング周波数を大幅に高められるという特徴がある。スイッチング周波数を高められれば、回路に使用するトランスやリアクトルを大幅に小型化できるメリットがある。

 さらにこのスイッチング周波数が高くできるSiCデバイスの特徴を引き出すため、リアクトルのコアに、アルプス・グリーンデバイスが開発したリカロイトロイダルコアを採用する。リカロイトロイダルコアは、アルプス電気と東北大学が共同開発した金属ガラス材料「リカロイ」を使用。リカロイは、一般的なリアクトルのコアに用いられているケイ素鋼板と比べて、磁気損失が極めて小さい。コアをケイ素鋼板からリカロイに置き換えることで、変換効率を高められ、発熱を抑えることが可能になる。

左は、開発した双方向DC-DCコンバータと従来品との仕様比較。右は開発した双方向DC-DCコンバータ (クリックで拡大)

 今回の新製品は、パワエレ機器の設計開発を手掛けるMywayプラスが設計開発を行い製品化に至ったもの。定格電力5kWで2層インターリーブの回路方式を採用。動作周波数は、シリコンによるIGBT(以下、Si-IGBT)を採用した従来品が15kHz程度だったのに対し、新製品は、100kHzの高周波動作を実現。リアクトル部分は、SiCデバイスの高周波動作とリカロイの材料特性などから、サイズは従来比1/20、重さは同1/30に小型、軽量化したという。

 さらに、電流センサーにアルプス・グリーンデバイスの高精度センサー素子を採用した製品を採用したことなどもあり、DC-DCコンバータとして従来比1/10のサイズ、同1/5の重量を実現したという。変換効率に関しても、Si-IGBTを搭載する従来品が97%だったのに対し、新製品は98%という高い値を実現している。

 新製品は、2013年10月下旬からMywayプラスが発売する予定だが、アルプス・グリーンデバイスの親会社であるアルプス電気なども提案活動を行っていく方針だという。

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