AMD、サーバの大型案件を獲得:ビジネスニュース
Verizonはデータセンター7拠点に、AMDのエンタープライズ向けパブリッククラウド用サーバを導入することを決定した。サーバ市場でのシェア拡大を狙うAMDにとって、大きな一歩となった。
Verizonは、世界7拠点のデータセンターにAMDのサーバ「SM15000」を導入することで合意した。SM15000は、AMDが2012年2月に買収した新興企業SeaMicroの技術をベースにしたサーバシステムで、同年9月に発表されている。Verizonは、SM15000を導入した中で最大の顧客となる。
AMDはこの取引についてあまり多くの詳細は明らかにしていない。だが、この取引を通じて、同社のインターコネクトチップの仮想化性能が立証されると主張している。
AMDのサーバ部門 ゼネラル・マネジャーで、SeaMicroの元CEOでもあるAndrew Feldman氏は、EE Timesとのインタビューの中で、「当社のI/Oチップは競合製品よりも安全かつきめの細かい形で、仮想マシン専用のプロセッサ、メモリ、ストレージリソースをサポートする」と述べた。
これまで、ほとんどの企業が、安全性に対する懸念からパブリッククラウドの導入をためらってきたという。
SeaMicroチップに用いられたインターコネクト技術「Freedom Fabric」は、最終的にはAMDの商用サーバ向けSoCに搭載される形でお目見えする計画だが、同社は発表の時期について明らかにしていない。Feldman氏が示唆したところによると、AMDのx86やARMのSoCを用いたSeaMicroサーバは、2014年初めには出荷される見込みだという。同サーバは現時点では、Intelのx86プロセッサを採用している。
VerizonとAMDは、エンタープライズ向けのパブリッククラウド技術について2年にわたり共同開発を進めてきた。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- AMD、ARMベースのサーバ向けSoC市場に本格参入
PC向けx86プロセッサを専門に手掛けてきたAMDが、ARMベースのサーバ向けSoC市場に本格的に参入する。だが、競争が激化している同市場において、AMDがどこまで食い込めるのかは、現時点ではまったく分からない。 - Intelのサーバ向けプラットフォーム、データセンター市場に変革を起こせるか
Intelのハイエンドサーバ向けプラットフォーム「Romley」の投入で、10GbEがいよいよ本格的に普及するとみられている。今後はデータセンター市場に大きな動きが起こる可能性がある。 - 超小型サーバを作るには――ARMプロセッサの選び方
ARMアーキテクチャを採用したプロセッサが多数、製品化されている。組み込み機器を設計する場合、どのプロセッサを選べばよいのだろうか。一般には、性能条件を満たした上で、必要な周辺機能を備えたSoCを選択すべきだとされているが、必要な仕様は組み込み機器によって千差万別だ。小型ARMサーバを製品化したぷらっとホームの事例「OpenBlocks」を紹介する。