ロームと愛知製鋼、従来比1万倍の感度を持つ次世代磁気センサーの量産技術を確立:センシング技術
ロームと愛知製鋼は2013年10月29日、従来の磁気センサーに比べ1万倍以上の感度を持つMIセンサーの量産技術を確立したと発表した。2013年11月から機能サンプルの提供を開始する。
ロームと愛知製鋼は2013年10月29日、従来の磁気センサーに比べ1万倍以上の感度を持つMIセンサーの量産技術を確立したと発表した。2013年11月から機能サンプルの提供を開始する。
両社は、2013年2月にセンサー事業分野における業務提携を結び、共同でMIセンサーの開発、生産体制の構築を進めてきた(関連記事:ロームが愛知製鋼とMIセンサーで提携、2016年の売上高目標は50億円)。MIセンサーは、特殊なアモルファスワイヤを使用する次世代型の磁気センサーで、愛知製鋼が「世界で初めて開発に成功した」(両社)とする。
MIセンサーは、従来のホール素子などを使用した磁気センサーに比べ1万倍以上の高感度を持つ。感度が高いため、従来の磁気センサーよりも少ないセンシング/演算回数でも高精度検知が行え、消費電力を抑えられる利点もある。そのため、スマートフォン、タブレット端末などの民生機器をはじめ自動車、産業機器など幅広い分野での応用が見込まれている。
今回、ロームが保有する半導体製造技術を使用したことで、「生産効率の大幅な向上を達成し、大量生産が難しかったMI素子の量産技術を確立した」(両社)とする。今後、両社は本格量産に向けた生産体制の拡充を進める方針。ロームが8インチシリコンウエハーによるMI素子の量産ラインを敷設し、愛知製鋼からMI素子の製造委託を受けて量産する見込み。なお、愛知製鋼のMI素子製造工場(岐阜工場)は、今後も内製工場として、MI素子を製造するためのコア素材供給と、自社製センサー用のMI素子製造開発に活用する。
さらに、ロームが得意とするセンサー制御技術をMI素子と組み合わせ、高精度、低消費電力のMIセンサーの提供を目指していく他、愛知製鋼は自動車、産業機器分野に向けた応用開発に注力していくとする。
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