復興支える地元企業が集結、“東北モノづくりコリドー”で見た新サービス:ET2013(2/2 ページ)
「Embedded Technology 2013/組込み総合技術展(ET2013)」(2013年11月20〜22日、パシフィコ横浜)では、東北に拠点を置く組み込み関連企業が展示を行う“TOHOKUモノづくりコリドー”が設置された。自転車の車輪とスマートフォンを連動させて新しい広告スタイルを提案する企業や、ペアリングが不要のBluetoothを利用した位置情報サービスのデモを展示する企業などが集結した。
ペアリング不要のBluetoothを利用した情報発信サービス
ネットワーク機器やセンサー機器を開発するイーアールアイ(岩手県盛岡市)は、Bluetooth経由で近くのスマートフォンにクーポンや情報配信を行う小型発信器「BLUETUS」を展示した。Bluetooth経由で情報を発信するが、独自技術により、ペアリング操作やパスワード入力が不要で、ユーザーはスマホにアプリをインストールするだけで、発信器からの情報配信を受けられるという。
BLUETUSは、本格的に始まりつつあるO2O(Online to Offline)サービス向けに開発されたものだ。スマートフォンの普及により、Wi-FiやBluetoothなどの無線ネットワークを利用して、店舗や施設からユーザー向けに情報を発信するサービスが盛んになってきた(関連記事:Wi-Fiネットワークでスマホユーザーの行動パターンを可視化、シスコが出荷開始)。こうしたサービスはO2Oの一例で、「2014年はO2Oが花開く、“O2O元年”だと言われている」(イーアールアイ)。イーアールアイの担当者は、「BLUETUSは非常に小型な上に、Bluetoothのペアリングが不要なため、多数のスマートフォンに向けて容易に情報を発信することができる」と述べる。発信器の設置については、特に設定は不要。アプリさえ開発できれば、すぐにサービスを開始できる。
デモでは、動物園のスタンプラリーにBLUETUSを利用していた。ゾウやライオンのおりの前にBLUETUSを設置しておき、スタンプラリー用の専用アプリをスマートフォンやタブレット端末で起動した来園者がその近くを通ると、スタンプを取得することができる仕組みになっている。
他にも、博物館や美術館、店舗などに設置して、展示物や商品の説明やクーポンを発信するなど、さまざまな用途が考えられる。
イーアールアイは、「アップルも、同様の位置情報サービス『iBeacon』を開発し、『iOS 7』に搭載している。当社にとってはライバルでもあるが、iBeaconがきっかけとなってO2Oサービスが活発になれば、BLUETUSをアピールできる機会も増える」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Bluetoothの新用途が続々登場、2018年には対応機器が320億個に
低消費電力のBluetooth 4.0が正式に策定されてから、Bluetoothの用途は確実に広がった。2018年には、Bluetoothに対応した機器が320億個に到達すると予測されている。さらなる普及には、「モノのインターネット(IoT)」がカギになりそうだ。 - スマホ連動の小型病原体センサー、インフルエンザも高感度で検出
産業総合研究所(産総研)は、光計測器をスマートフォンで操作し、病原体を検出するシステムのデモンストレーションを行った。操作をスマートフォンのみで行うことにより、光計測器を小型化できたという。 - ロームと愛知製鋼、従来比1万倍の感度を持つ次世代磁気センサーの量産技術を確立
ロームと愛知製鋼は2013年10月29日、従来の磁気センサーに比べ1万倍以上の感度を持つMIセンサーの量産技術を確立したと発表した。2013年11月から機能サンプルの提供を開始する。