もはや半導体業界だけのイベントではない――SEMICON Japan 2013:SEMICON Japan主催者に聞く(1/2 ページ)
2013年12月4〜6日、千葉市の幕張メッセで世界最大級の半導体製造装置・材料の総合展示会「SEMICON Japan 2013」(セミコン・ジャパン)が開催される。今回のテーマは、「The Power of “X”」であり、さまざまな分野に影響を与える技術/製品などにスポットを当てる。「半導体製造装置業界に直接かかわらない人でも、有益な価値ある情報を得られる場にしたい」というSEMICON Japan主催者に開催の狙い、見どころなどを聞いた。
SEMICON Japanは、世界最大級の半導体製造・装置材料の総合展示会で36年の実績を誇る。ことし2013年も、12月4〜6日の3日間、千葉市の幕張メッセで開催される。
半導体業界では、広く浸透したメジャーな展示会であるSEMICON Japanだが、少しずつではあるが、回を追うごとにその性格を変えてきている。近年では、半導体業界のみならず、エレクトロニクス/電機業界やその周辺業界を巻き込んだより総合的な展示会へと変化しつつある。
国内の半導体業界は、業績が低迷するデバイスメーカーが多く、暗い話題が先行しがちで、SEMICON Japanも盛り上がりに欠けると思われがちだ。しかし、国内半導体製造装置・材料業界に限っては、世界市場での競争力を保ち続け、優位な地位を確固たるものにしている。その国内半導体製造装置・材料業界が中心となって開催するSEMICON Japanは、半導体業界のみならずより幅広い業界/産業に働きかけるイベントにすることで、国内半導体/電機業界、強いては日本の活性化を目指している。
SEMICON Japanの主催者であるSEMIジャパンの代表である中川洋一氏とSEMIジャパン 展示会・プログラム部長の岩口摩理子氏に、今回の「SEMICON Japan 2013」の狙いや見どころについて聞いた。
開催テーマは「The Power of “X”」
EE Times Japan(以下、EETJ) まず、今回のSEMICON Japan 2013の開催の狙いをお聞かせください。
中川氏 世間では、日本のエレクトロニクス業界、とりわけ、半導体業界は斜陽産業だという評価が一部でなされているが、決して、そうではない。日本の半導体製造装置業界は、世界の半導体製造装置市場において、おおよそ40%のシェアを維持し続けている。SEMICON Japanは、日本が世界に貢献していることを世界に示し、世界ナンバー1の地位にあることを示す場として考えている。
今回のSEMICON Japan 2013の開催テーマは「The Power of “X”」だ。この“X”にはさまざまなキーワードが入り、“450mmウエハー製造”、“3D-IC”など半導体業界で注目を集めるさまざまな技術テーマの“力”を指し示したいと考えている。それらを通じながら、個人的には、今回のSEMICON Japanで、「The Power of Japan」(日本の力)を訴えたいと思う。
EETJ 日本の半導体製造装置業界が世界市場で健闘する一方で、製造装置メーカーの顧客である半導体デバイスメーカーの国内勢は世界競争で苦戦しています。その中で、日本で開催するSEMICON Japanを盛り上げるには難しい面が多いのでは、ありませんか。
中川氏 実際、(会場となる)幕張メッセの全館を使用してSEMICON Japanを実施していた時代に比べ、少しコンパクトになった現在は、寂しさを感じるかもしれない。けれども、さまざまな企画を実施し、その寂しさを感じさせないイベントにする。
製造装置業界が直接かかわる分野は、デバイス製造の分野だけで、狭い。けれども、製造装置が影響を及ぼす領域は広く、エレクトロニクス業界全般と関係している。
これまでのSEMICON Japanは、製造装置メーカーがデバイスメーカーに技術、製品を売り込む場に過ぎなかったが、近年は、最先端のエレクトロニクスに関する情報を提供する場へと変わりつつある。今回も、製造装置ユーザー以外の方でも、何らかの情報を持ち帰れるような企画、イベントを用意している。加えて、SEMICON Japanは、SEMIだけのイベントとしてではなく、さまざまな団体、業界と連携し、より広いバリューを提供できるイベントとして位置付け、開催する。
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