車載用ICの不具合を迅速に特定――インフィニオン ジャパンの解析ラボ:ビジネスニュース 企業動向
インフィニオン テクノロジーズ ジャパンは、本社オフィス内の「解析ラボ」をプレスに公開した。解析ラボにはX線顕微鏡や超音波検査装置、IRロックインサーモ装置などを設置しており、日本の自動車/電装品メーカーの要求に基づいて、同社製ICチップの不具合解析などを迅速に行っている。
インフィニオン テクノロジーズ ジャパン(以下、インフィニオン)は2013年11月、東京・大崎の本社オフィス内に設置している「解析ラボ」をプレスに公開した。解析ラボにはX線顕微鏡や超音波検査装置、IRロックインサーモ装置などを備え、日本の自動車/電装品メーカーの要求に基づいて、同社製ICチップの不具合解析などを迅速に行っている。
インフィニオンは、車載向けICチップ製品について、全世界で「不良ゼロ」を目標に掲げ、製品の品質改善に取り組んでいる。特に、日本市場では顧客の品質要求が高く、品質サポートのさらなる強化を図ってきた。このため日本では、2006年7月に解析ラボを開設し、顧客のニーズに応えてきた。現在は全世界で18か所に解析ラボを設置しているという。
日本の解析ラボには、X線透視装置や超音波検査装置、IRロックインサーモ装置の他にも、主にパワーデバイスを対象としたICテスターなどが設置されている。これらの装置を使って、ICパッケージ内部のダイパッドや特定リードのはく離、クラックなどを非破壊で確認することができるという。また、IRロックインサーモ装置では、パッケージした状態でICチップにパルス波を印加する。これによって異常があれば微小なスポットの発熱を確認でき、直流電圧を印加した場合に比べて不具合の部分が特定しやすくなる。
顧客にICチップを出荷した後、何らかの原因でICチップに不具合が生じた場合、その特定には迅速な対応が要求されている。同社では解析ラボで検査して不具合の場所を特定する。その結果に基づき、必要であれば担当する工場にそのICチップを送り、関連部署が根本的な問題解決に向けて対処するという。解析ラボを活用することで、ICチップの不具合解析や原因解明の内容について、顧客に対する第1次回答がより迅速に行えるという。
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