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ツイン水晶振動子技術で小型・高精度を実現、日本電波のOCXOマイクロウェーブ展2013

日本電波工業は、ツイン水晶振動子技術を用いた小型・高精度の発振器「Twin-OCXO」や、出力周波数が160MHzで低雑音特性を実現したOCXOなどの展示を行った。

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Twin-OCXOの外観

 日本電波工業は、「マイクロウェーブ展2013」(2013年11月27〜29日、パシフィコ横浜)で、ツイン水晶振動子技術を用いた小型・高精度の発振器「Twin-OCXO」や、出力周波数が160MHzで低雑音特性を実現したOCXOなどの展示を行った。

 Twin-OCXO(Twin-Oven Controlled Crystal Unit Oscillator)は、基準クロック用と温度センサー用の2つの振動子を1つのパッケージに集積した独自のツイン水晶振動子を使った。これにより、オーブン温度を高精度に検出したうえで、デジタル信号処理によってヒータ制御をより正確に行うことが可能となり、出力周波数の安定度を高めることができた。「温度補正にサーミスタ素子を用いた従来のOCXOに比べて、温度検出精度は100倍優れている」(説明員)と話す。周波数は5〜40MHzの範囲で任意に出力することができる。周波数温度特性は「NH14M09WA」が最大±20×10−9、「NH14M09TA」は最大±10×10−9である。

 パッケージの外形寸法が小さいのも大きな特長だ。14.3×9.4×6.5mmで、容量はわずか1ccである。従来はディスクリート部品を組み合わせて、内部の発振回路を構成していたため、25×22mmなどの外形寸法となっていた。新型Twin-OCXOは、同社が独自に設計したデジアナ混載ICを搭載することで大幅な小型化を可能とした。新型Twin-OCXOは、マイクロセルやピコセルといった小型基地局の用途に向ける。すでにサンプル品の出荷を始めており、2014年春にも量産を開始する予定である。

従来OCXOとTwin-OCXOの外観(左)と製品別にみる外形寸法の推移(右) (クリックで拡大)

 出力周波数が160MHzで低雑音特性を実現したOCXOも参考展示した。水晶振動子と水晶フィルタの温度を高い精度で一定に保つことにより、160MHzという高い出力周波数であっても低雑音の基準信号を出力することが可能となった。具体的には1k〜1MHzの離調周波数でフロアノイズは−185dBc/Hz以下を実現した。RMSジッタは2.3フェムト秒(fs)である。「出力周波数が160MHzの従来品では、1kHzでのフロアノイズが150〜160dBc/Hz程度に劣化することもある」(説明員)という。

参考展示した160MHz低雑音OCXOの外観(左)と位相雑音特性の一例(右) (クリックで拡大)

 160MHzの低雑音OCXOは開発中で、製品化の時期について「現時点では未定」(説明員)と話す。高周波回路の小型化要求が強い無線通信システムや衛星通信システム、レーダーシステム、計測機器などの用途に向ける。

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