30個の部品を1チップに――シレゴテクノロジーがプログラマブルミックスドシグナルICの新世代品投入:ビジネスニュース 企業動向
シレゴテクノロジーは2014年2月、30個の受動部品/ディスクリート半導体を1ICで置き換えることができるプログラマブルミックスドシグナルIC「GreenPAK3」を発表した。従来品と同等のサイズ、価格を実現しながら回路規模を拡大させた。
シレゴテクノロジーは2014年2月、30個の受動部品/ディスクリート半導体を1ICで置き換えることができるプログラマブルミックスドシグナルIC「GreenPAK3」を発表した。価格は、「量産時、1個数十円の見込み」とする。
シレゴテクノロジーは、米国カリフォルニア州サンタクララに本社を置くファブレス半導体メーカーであり、近年、プログラマブルミックスドシグナルIC「GreenPAK」を中心に急速に製品出荷数を伸ばしている。GreenPAKは、受動部品、ディスクリート半導体といった、いわゆる周辺部品を集積化することに主眼を置いたアナログ主体のプログラマブルデバイス。コンパレータ、A-Dコンバータ、カウンタ/遅延回路といった回路をプログラマブルロジックとともに併せ持ち、専用の設計/エミュレーションツール「GreenPAK Designer」で回路構成をプログラムできる。
さまざまなメーカーが、アナログ回路をプログラムできるデバイスを製品化している中で、GreenPAKは、小型、低消費電力、設計の容易さ、低価格を追求。パッケージサイズを2〜3mm角以内にとどめ、その上、標準的なQFNパッケージを採用することで製造コストも抑えている。「標準パッケージを採用することで、多くの後工程製造工場が使用でき、コスト以外にも、納期や品質面でもメリットがある」とマーケティング担当バイスプレジデントのJohn McDonald氏は言う。
回路のプログラミングに関しても、1回書き込みだけ対応するワンタイムプログラマブルデバイスながら、プログラミング言語の知識やコンパイラなどなしに、シレゴテクノロジーが無償提供するGreenPAK Designerのみで対応できる“簡単さ”を備える。「分かりやすい画面で、マウス操作や簡単な数値入力で設計できる。ほとんどの顧客が30分程度の時間で設計を終えている」(McDonald氏)と言う。またMcDonald氏は、「マイコンベースのデバイスなどであれば、常にスタンバイ状態でなければならないが、GreenPAKであれば電源を落とすことができる」と消費電力面での利点も強調する。
GreenPAKは発売以来、小型、低価格などのメリットからノートPCや携帯電話機などモバイル機器を中心に採用数を急激伸ばし続けている。間もなく同社の製品出荷総数はGreenPAKが立役者となって10億個を超える見込みで、2014年も年間5億〜7.5億個の出荷を見込んでいる。「数量的には民生機器向けがほとんどだが、センサー端末や産業機器、車載機器など幅広い分野での採用も進んでいる」とする。
そして、今回、発表したGreenPAKの第3世代品となるGreenPAK3は、従来世代よりも微細な製造プロセスを採用し、従来世代と同サイズ以下の2×3mmサイズのQFNパッケージながら集積度を高め、ピン数も従来の12ピンから20ピンへと増やした。McDonald氏は、「従来世代品は、1ICでおおよそ20個の受動部品、ディスクリート半導体を置き換える規模だったが、新製品は約30個の部品を置き換えることが可能な規模」と説明する。
回路規模の拡大に加え、アナログコンパレータのオフセットやクロックの精度などの性能改善やフィルター回路の強化などを行った。
「回路規模、ピン数を増やしてほしいという要望がとても多く、それに応えた製品であり、さらに採用数が増えるだろう。今後も、回路規模を増やした製品開発を進める他、メモリ混載製品なども製品化していきたい」(McDonald氏)としている。
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