センサーのトレンド、ウェアラブル機器とスマホがけん引:センシング技術(2/3 ページ)
スマートフォンの普及とともに、さまざまなウェアラブル機器が台頭している。これらの端末の進化を支えているのがセンシング技術だ。加速度センサーや角速度センサーなど、スマートフォンでは一般的になっているものから、赤外線センサーやジェスチャ制御センサーまで、さまざまなセンサーを紹介する。
ナイトビジョンを実現する赤外線センサー
センサー分野ではこの他にも、夜間の監視や暗視などの用途に向けた次世代の赤外線センサーが新たに登場している。Bouchaud氏によると、こうした赤外線センサーは小型な上に安価なため、スマートフォンへの搭載が増えてくる見込みだという。
同氏は、「赤外線センサー技術は、CESで披露された中でも最も革新的な技術の1つといえる。夜間に周囲の環境をスキャニングするという発想は、多くの人々の興味を引き付けていた。例えば、夜間に自分の車に歩いて戻る時などに、前もって周囲の状況を確認することができるようになるだろう」と述べる。
赤外線センサーの興味深い適用例の1つとして挙げられるのが、FLIR Systemsが最近発表したスマートフォン用ケース「FLIR ONE」だ。スマートフォンに装着するだけで、これらの端末を赤外線サーモグラフィの機能を取り付けることができる。
FLIR ONEは、温度差を色で区別して画面に表示する。温度が高い方が黄色、低い方が紫色だ。例えば、住宅の断熱性や水漏れを探したり、夜間に不審者や野生生物の存在を確認したりといった用途が想定されている。
動画や写真を撮影できるが、解像度は比較的低い。一般的な可視スペクトル域カメラを搭載している。熱探知カメラは、華氏0.1度の温度差を検知可能で、華氏2度以内の精度で温度を表示できる。
2014年春には「iPhone 5」「iPhone 5s」向け、同年後半にはAndroid携帯電話機向けに、出荷を開始する予定だとしている。
近代化標的捕捉選定照準器/パイロット夜間視覚センサー(M-TADS/PNVS*))システムは、高度な発射制御装置である。戦闘ヘリコプター「Apache(アパッチ)」は、日中や夜間の他、悪天候でも標的を捉えられるよう、同システムを搭載している。
*)M-TADS/PNVS:Modernized Target Acquisition Designation Sight/Pilot Night Vision Sensor
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