ルネサス、シンガポールの後工程拠点を閉鎖へ:ビジネスニュース 企業動向
ルネサス エレクトロニクスは、シンガポールの半導体後工程製造子会社の一部製造設備を、ジェイデバイスの子会社に売却し、シンガポール拠点での半導体生産を2015年10月〜2016年3月中に終了する方針を明らかにした。
ルネサス エレクトロニクスは2014年3月20日、シンガポールの半導体後工程製造子会社「ルネサスセミコンダクタ・シンガポール」(RSS)の一部製造設備を、半導体後工程の受託生産で国内最大規模となるジェイデバイスの子会社に売却するとともに、RSSでの半導体生産を2015年10月〜2016年3月中に終了する方針を明らかにした。
譲渡するのは、車向けを含むマイコンを中心に製造するRSSの製造設備のうち、「(ルネサスとジェイデバイスの)両社で合意した設備」で、譲渡額は不明。2016年3月期中に、ジェイデバイスの子会社であるジェイデバイスセミコンダクタに譲渡する。同時に、RSSで生産中の製品のうち両社で合意した製品について、ジェイデバイスセミコンダクタ熊本工場に製造委託することでも合意したという。
製造設備を譲渡するRSSは、設備譲渡に合わせて、生産を終了する見込みで、ルネサスでは「2016年3月期の下期中に終了する方針で現地労働組合との間で協議を開始した」としている。
RSSの設備譲渡、生産終了後、RSSで現在生産している製品の製造は、委託先のジェイデバイスセミコンダクタ熊本工場の他、ルネサスセミコンダクタ・ケイエル(マレーシア)やルネサス セミコンダクタ九州・山口 大分工場で継続するとしている。
経営再建中にあるルネサスは、製造効率の向上などを目的に、譲渡、閉鎖を含めた国内外製造拠点の再編を実施中。今回、RSSの設備譲渡先であるジェイデバイスには2013年に国内後工程3拠点も譲渡している(関連記事:ルネサスが後工程3工場の売却を決定、再編対象残り4工場の去就はどうなる)。
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