Wi-SUN対応の汎用無線モジュールをロームが「業界初」の製品化:無線通信技術 Wi-SUN
ロームは2014年4月4日、国際無線通信規格「Wi-SUN」対応の汎用無線通信モジュール「BP35A1」を製品化した。ロームでは、「Wi-SUN対応の汎用無線モジュールは業界初めて」としている。
ロームは2014年4月4日、国際無線通信規格「Wi-SUN」対応の汎用無線通信モジュール「BP35A1」を同年4月からサンプル出荷すると発表した。ロームでは、「Wi-SUN対応の汎用無線モジュールは業界初めて」としている。
ロームは、自社で持つモジュール技術に、子会社のラピスセミコンダクタが持つ無線通信技術、低消費電力技術を組み合わせて、低消費電力無線通信分野でのビジネスに注力している。特に、Bluetoothと、サブギガヘルツ帯無線分野での製品展開を強化。特定小電力無線分野では、日中欧の3市場のスマートメーター向け無線通信LSI/モジュールで「シェアトップ3入り」の目標を掲げるなど、HEMS(Home Energy Management System)向けに重点を置く。
東京電力の採用決定で追い風吹く「Wi-SUN」
新製品もHEMS市場をターゲットにし、スマートメーターよりも宅内側に位置するHEMSゲートウェイや白モノ家電、空調機器、照明、太陽光発電システムなどへの搭載を想定している。
スマートメーターとHEMSゲートウェイや宅内の家電などの機器の接続方法は、有線、無線問わずさまざまな通信規格が検討されている。ただ2013年に今後スマートメーターの本格導入を控える東京電力が、スマートメーターとHEMSゲートウェイ間の通信にWi-SUNを用いるとの決定を行ったため、国内市場に限ってはHEMS分野の主要通信技術としてWi-SUNが有力視されるようになっている(関連記事:「2年後にはスマホにもWi-SUN」――標準化を先導するNICTがWi-SUN普及に自信)。
ロームでは、Wi-SUN対応製品の開発に取り組み、2014年1月にはラピスセミコンダクタとしてWi-SUNアライアンスによる認証を取得したWi-SUN PHYを搭載した無線通信LSI「ML7396B」を製品化。同LSIは、「世界初のWi-SUNアライアンス認証製品」の1つであり先行した製品開発を行ってきた。
新製品のBP35A1は、ML7396Bをベースにマイコンやアンテナなどを実装した無線通信モジュール。国内の電波法認証も取得済みで、Wi-SUN対応の無線機能をより短期間で機器に組み込める。搭載するマイコンについては、「ハイパフォーマンスな32ビットマイコン」としている。Wi-SUN対応のファームウェア以外にも、ZigBee対応のファームウェアも用意し、同一モジュールで各種無線通信に対応できる汎用性も備えている。
受信感度は、100kビット/秒時 -103dBm。サンプル価格は1万円で2014年8月から月産3万個体制で量産を行う方針。
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