サムスン電子、東芝と相次いで連携したGLOBALFOUNDRIESの狙い:バイスプレジデントが会見(1/2 ページ)
GLOBALFOUNDRIESは、東京都内で開催した記者説明会で、今後のプロセス技術の動向や、14nmFinFETプロセス技術を適用したICチップ製造でサムスン電子と提携合意した狙いなどについて語った。また、東芝とワールドワイドASICパートナー契約を結んだことも発表した。
GLOBALFOUNDRIESは2014年4月22日、東京都内で記者説明会を開催し、今後のプロセス技術の動向や、14nmFinFETプロセス技術を適用したICチップ製造でサムスン電子と提携合意(関連記事:サムスンとGLOBALFOUNDRISが14nmチップで提携、2014年内に製造開始へ)した狙いなどについて語った。また、東芝とワールドワイドASICパートナー契約を結んだことも発表した。
GLOBALFOUNDRIESは、半導体ファウンドリとしてTSMCに次ぐ業界2位の売り上げ規模である。シンガポール、ドイツのドレスデン、米国のニューヨーク州マルタと3か所に製造拠点があり、現在は年間最大800万枚(200mmウェハー換算)のウェハー処理能力を持つ。プロセステクノロジは既に14nmまで対応している。
GLOBALFOUNDRIESのCTOオフィスでアドバンストテクノロジアーキテクチャ、バイスプレジデントを務めるSubramani Kengeri氏は、最近の市場動向として「GPUの用途拡大」、「プロセッサのメニコア化」、「モバイルコンピューティングの進化」、そして「複雑さを増すコネクティビティ」などを挙げ、「テクノロジ開発においては、こうした市場のトレンドを見極めることが大切」と話す。また、スマートフォンなどモバイル機器用のIC設計者のうち約1/4が、消費電力あたりの性能を高めるため、今後はFinFET技術を用いたICチップの開発を検討していることも分かったという。
このような市場の動きに対して、14nmFinFETプロセス技術を適用したICチップの製造能力を確立するため、このほどサムスン電子との提携に合意した。
GLOBALFOUNDRIESはサムスン電子から、サムスン電子が開発した14nmFinFETプロセス技術のライセンスを受け、ニューヨーク・サラトガの「ファブ8」に生産設備を導入中である。14nmFinFETプロセスには一般的な「14LPE」と、性能を追求した「14LPP」と呼ぶ2種類がある。PDK(Process Design Kit)を使った14LPEの設計は既に始まっており、2014年度末より量産を開始する予定だ。一方、サムスン電子は韓国・華城の「S3ファブ」、韓国・器興の「S1ファブ」、そして米国テキサス州のオースティン「S2ファブ」の3工場で生産体制を整え、2014年後半より量産に入る。
14nmFinFETプロセス技術を適用したICチップは、従来の20nmプレーナ技術を使ったICチップに比べて、「処理速度が20%高速で、消費電力は35%小さい。チップ面積も15%小さくすることができる」という。しかもPDKで設計されたデータを使って、対応する複数のファブで量産することができるのも両社が提携した強みとなる。
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