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「インテルはモバイル市場から撤退すべき」、アナリストが指摘クアルコムを抜くには数億ドルの投資が必要?(1/2 ページ)

J.P.モルガンのアナリストは、モバイル市場がインテルにとって採算性の悪い市場であることから、モバイル市場から撤退すべきだと主張している。しかし、インテルはLenovoやFoxconnなどのメーカーとの長期契約を武器に、モバイル市場で勝負を続けるとしている。

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 米国の投資銀行であるJ.P.Morganのアナリストは、「Intelの2014年第1四半期における1株当たり利益は減少した。今後、収益性を改善していくためには、モバイル通信事業部を廃止する必要がある」との見解を明らかにした。しかし、x86プロセッサの大手であるIntelは、「競争の激しいスマートフォン/タブレット端末市場において、諦めずに戦い抜く考えだ」という。Intelのこの主張を支持するアナリストもいるようだ。

 J.P.Morganは発表資料の中で、以下のように指摘している。「Intelにとってモバイル市場は、極めて採算性の悪い市場だといえる。x86は、ARMとの競争において不利な状況にある上、タブレット端末および携帯電話機向けプロセッサ市場の利益率は全体的に低い。このため、Intelが今後もスマートフォン/タブレット端末事業を継続していけば、赤字を抱えるだけでなく、実質的な1株当たり利益も減少することになるだろう。もしIntelがモバイル事業部門を廃止すれば、2015年における1株当たり利益は約0.5米ドル上昇する見込みだ」

 Intelのモバイル通信事業部門の2013年における営業損失は、31億米ドルだった。2014年第1四半期の損失は9億2900万米ドル、売上高は1億5600万米ドルだ。Intelの担当者は、損失を計上したことを認めながらも、「モバイルエコシステムへの投資を行った結果だ」と説明する。

 Intelの同事業部門でバイスプレジデントを務めるJulie Coppernoll氏は、EE Timesの取材に対し、「コンピューティング市場のリーダーとして、戦略の1つとして投資を行っている。明確な計画に基づき、今後どのように展開していくべきかを判断しながら、プラットフォームのコストの観点から当社独自の競争力を高めるべく、投資を進めている」と述べている。

 Intelは、「モバイル部門を廃止すべきだ」とするJ.P.Morganの指摘に対し、かつてのTexas Instruments(TI)のようにその指示に従うつもりも、利益率の高いPC/ファウンドリ事業に再び注力するつもりもないようだ。むしろ、タブレット/LTE分野に引き続き注力していく考えであることをあらためて明言している。Coppernoll氏は、「Intelアーキテクチャは、モバイル市場において最も大きな成長を遂げている分野の1つだ。タブレット端末市場における販路を拡大することにより、出荷数量を4倍に増やせると見込んでいる」と述べている。

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