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「インテルはモバイル市場から撤退すべき」、アナリストが指摘クアルコムを抜くには数億ドルの投資が必要?(2/2 ページ)

J.P.モルガンのアナリストは、モバイル市場がインテルにとって採算性の悪い市場であることから、モバイル市場から撤退すべきだと主張している。しかし、インテルはLenovoやFoxconnなどのメーカーとの長期契約を武器に、モバイル市場で勝負を続けるとしている。

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タブレット市場の見通しは明るい

 IntelのCFO(最高財務責任者)を務めるStacy Smith氏は、四半期ごとの決算報告において、「当社は引き続き、タブレット端末市場に期待をかけていく。ある程度の変更点はあるかもしれないが、方向性そのものは変わらない。実際のところ、顧客企業の様子を見ても、同市場の見通しは非常に明るいと確信している」と述べている。

 Coppernoll氏は、Intelのx86ベースのプロセッサの変換効率に関するコメントについて問われ、「当社のチップは、消費電力量の面でも十分な競争力を備えている。また、次世代のAtomチップ(開発コード名『Broxton』)も、極めて高い性能を実現する。スマートフォン/タブレット端末に向けた64ビットのモバイルチップは、新型のCPUとグラフィックスコアをベースにしている」と述べている。

 Intelの広報担当者は、「いかなる競争も決して軽視するつもりはないが、当社のAtom SoC『Bay Trail』は今後も、1W当たりの性能が最も高いリーダー的な製品としての位置付けを維持できると考えている。また、当社がこのような優れたチップを22nmプロセス技術で製造しているという点や、現在14nmプロセスの適用に着手しているという点についても注目してもらいたい」と述べている。

 米国の市場調査会社であるForward Conceptsでプレジデントを務めるWill Strauss氏は、「IntelがJ.P.Morganの提案に従えば、収益性を改善できる可能性はある。しかしIntelにとって、モバイル市場での取り組みを継続する他に選択の余地はないようだ。そのためには、Nokiaと同様に、米国の市場ではなく、第三世界の市場に焦点を合わせた戦略を採用する必要がある」と指摘する。

 さらにStrauss氏は、「IntelがQualcommと競争し、追い付くためには、数億米ドル規模の投資が必要になるだろう。今のところ、資金面においてIntelの敵となる相手は存在しない。しかしQualcommは、Intelの現状の約2年先を行っている」と述べる。

「SoFIA」「Broxton」が武器に?

 Intelはコスト面において、さまざまな製品の部品コスト(BOM:Bill of Materials)を削減していく考えだ。とりわけSmith氏は、Intelにとっては初となる、ローエンドスマートフォン向けの統合型モバイルSoCプラットフォーム「SoFIA」と、ミッドレンジ〜ハイエンド向けのBroxtonの重要性について強調している。

 IntelとStrauss氏は、「Intelがモバイル市場において成功を収めるためには、パートナーシップを構築することが重要だ」と強調する。Intelの広報担当者は、「Intelは、LenovoやFoxconnなどのメーカーとの間で長期契約を締結した。これにより、プロセッサや通信機器にAtomを採用するメーカーをターゲットとして、スマートフォン/タブレット端末市場におけるシェアを拡大していきたい」と述べている。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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