東芝が四日市工場の第2棟を建て替え、3Dメモリの製造に向けて:サンディスクと共同で設備投資
東芝が、四日市工場の第2棟の建て替えを発表した。3次元構造のNAND型フラッシュメモリ(3Dメモリ)の専用工程を行う補助棟として活用するためだ。2015年以降に3Dメモリ製造への切り替えを目指す。
東芝は2014年5月14日、3次元構造のNAND型フラッシュメモリ(以下、3Dメモリ)の専用設備を設置するスペースを確保すべく、四日市工場の第2棟を建て替えると発表した。5月から解体・撤去作業を開始し、9月に起工、2015年夏に竣工(しゅんこう)する予定だ。2015年以降に3Dメモリへの切り替えを目指すという。
今回の設備投資は、東芝とサンディスクが共同で行う。東芝が旧建屋の解体、撤去、新建屋建築を担当し、東芝とサンディスクの両社が共同で製造設備を導入する計画だ。設備導入や生産開始の具体的な時期や生産能力、生産計画については、市場動向を踏まえて、これから決定していくという。
建て替え後の第2棟は、3Dメモリ専用工程を行う補助棟として活用し、既存棟と連携して生産を行っていく。既に保有している土地や製造設備を最大限に活用することで、3Dメモリ製造への切り替えに対する投資を効率的に行う考えだ。
第2棟は、地震の揺れを吸収する免震構造を採用する。さらに、LED照明の採用、最新の省エネ製造設備の導入、工場廃熱を利用した燃料消費削減などにより、四日市工場の第5製造棟に比べて二酸化炭素の排出量を約15%低減する計画だという。
東芝とサンディスクは今後、3Dメモリの生産効率を向上させるため、次世代露光や成膜、エッチングなどの最先端装置を順次導入する計画である。
メモリが好調で営業益47%増
東芝は2014年5月8日に2013年度(2014年3月期)の決算を発表したばかりだ。NAND型フラッシュメモリが好調だったこともあり、営業利益は前年比47%増となる2908億円を達成している(関連記事:東芝、メモリ好調で営業益47%増――2014年3月期決算)。
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