HD映像を遅延や劣化なしに無線伝送、アミモンがデモ展示:ワイヤレスジャパン2014
Amimon Japan(以下、アミモン)は、非圧縮のHD(High Definition)映像を1ms以下の遅延時間で伝送できる無線伝送装置のデモ展示を「ワイヤレスジャパン2014」で行った。
Amimon Japan(以下、アミモン)は、「ワイヤレスジャパン2014」(2014年5月28〜30日、東京ビッグサイト)において、非圧縮のHD(High Definition)映像を1ms以下の遅延時間で伝送できる無線伝送装置のデモ展示を行った。
アミモンのHD無線伝送装置「スカイリンク(SKY-504)」は、送信モジュール「カイト」および受信機モジュール「イーグル(HD-SDI対応)/ハリア(HDMI対応)」などから成る。アンテナは外付けとした。使用する周波数帯は5GHz帯で、屋外でも利用可能なDFS(Dynamic Frequency Selection)対応製品の認証も2014年2月に得られたことから、本格的に提案活動を展開している。屋内用途向けにDFS非対応製品も用意している。
同社の強みは独自開発のビデオモデム技術である。カメラで撮影したHD映像を、画質を落とさないように、動きの少ない部分の映像を間引く処理を行って伝送する。これによって、非圧縮で伝送してもその遅延時間は1ms以下に抑えることができた。非圧縮のため映像の劣化もほとんどないという。「40MHzの帯域幅で信号を伝送しているが、3Gビット/秒に相当する伝送速度になる」(説明員)という。伝送距離は見通しの良い場所で最大500mである。
アミモンでは、製造ラインや建機などにおける装置/危険エリアの監視、河川や山間部などにおける遠隔監視、競技場やイベント会場からのライブ中継などの用途に向ける。さらに、「遅延時間がほとんどなく画質の劣化も少ないため、医療施設における手術のモニターなどにも採用されている」(説明員)と話す。
同社はスカイリンク以外にも、「スタジオリンク」や「ライブリンク」、「ビューリンク」、「メディリンク」といったHD無線伝送装置を用意している。
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