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ビッグデータは“重ねて”見てこそ価値がある、NHK技研の可視化システム減災にも貢献

NHK技術研究所は「技研公開2014」で、ビッグデータをリアルタイムで可視化するシステムを展示した。天気の情報、ホテルや避難所の位置、道路の混雑情報などを同時に表示できる。さまざまなビッグデータを重ね合わせて見ることで、本当に価値のある情報を提供できると強調する。

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 NHK放送技術研究所(NHK技研)は、「技研公開2014」(2014年5月29日〜6月1日)において、ビッグデータをリアルタイムに表示するシステムを展示した。開発中のソフトウェア「NHK Digital Earth」を用いている。災害時に発生し得るリスクを最大限に抑えるため、より大量のデータをより速く、より分かりやすく表示することを目指す。

 デモでは、国土交通省が提供している国土数値情報を使い、道路や私鉄、JR、過疎地域、避難所、浸水想定区域といったデータを任意に選び、それらを重ねて表示した。NHK技研は「ビッグデータを重ねて表示することで、本当に価値のある情報を提供できる」と話す。

 例えば、「浸水想定区域」と「ゲリラ豪雨の予報」は単体でも価値のある情報だが、それらを重ねて表示することで「数分後/数十分後に、浸水の可能性が高い危険な地域はどこか」というのをより正確に把握することができる。さらに、そこに避難所のデータを重ねれば、「この地域は避難所が少ないから、早めに周辺自治体に協力を要請しよう」などという判断や対策を迅速に行える。

 NHK Digital Earthは「iPad」やノートPCにもインストールできる。「誰もがビッグデータを簡単に活用できるようにすることが目標だ。今後はデータのフォーマットをどのように統一するかなどが課題になる」(NHK技研)。

関東の浸水想定区域を表示した(左)。中央は、浸水想定区域にホテル情報(ホテルの位置と客室数)を追加したもの。右は、さらに避難所の位置も表示したものである(クリックで拡大)

 NHK技研は、「これまでは、企業がビッグデータを収集し、それを自社のためだけに使っていた。だが今は、そうしたビッグデータを共有し、より価値のあるデータにしていこうという意識を企業なども持ち始めている。ビッグデータを重ねて表示することで、本当に意味のある情報を引き出すことができるようになる」と強調した。

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