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マイクロ波をシートに“閉じ込めて”給電、究極の用途はクルマの充電WTP2014 / ワイヤレスジャパン2014

情報通信研究機構(NICT)は「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2014」(WTP2014)で、シートを媒体に使った非接触給電技術を展示した。マイクロ波をシート内に供給して“閉じ込め”、5〜6Wの電力を供給した。NICTは「究極のアプリケーションは、自動車の充電」と述べる。

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 情報通信研究機構(NICT)は「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2014」(WTP2014、2014年5月28〜30日)で、シート媒体を使った非接触給電技術を紹介した。

 シート媒体は、2枚の導電層で誘電層を挟む構造になっている。このシート内に2.4GHz、10Wのマイクロ波を入れると、マイクロ波はシート内で反射を繰り返すという。言い換えれば、シート内にマイクロ波を“閉じ込めた”状態になる。

 このマイクロ波が閉じ込められたシートの上にカプラーを置くと、シートに格子状に張り巡らしたアルミが導波管の役割を果たし、5〜6Wの電力をカプラー側に供給できる。NICTの担当者は、「電磁波がシートに閉じ込められているので、電磁誘導方式や磁気共鳴方式に比べて安全性が高い。シートの上ならば位置合わせも不要だ」と述べる。

 マイクロ波にデータを乗せて、通信も行えることが特長だ。例えば2組のシートを準備して、片方をデータ通信に、もう片方を給電に使うこともできる。同一シートで給電とデータ通信を行う場合は、給電の効率が2組のシートを使うときに比べてやや落ちるという。なお、現時点の通信速度は約500メガビット/秒と、動画をHDMIで送れるくらいの速さである。

デモの様子(左)。タブレット端末を充電している。中央はシートの拡大図。格子状のアルミが見える。右のように柔らかい素材を使えば、曲げられるシート媒体を作ることも可能だ(クリックで拡大)

 NICTの担当者によれば、「究極のアプリケーションは、自動車を充電することだ」という。自動車の充電にはキロワットオーダーの電力が必要なので、まずは少しずつ供給できる電力量を多くしていくことが今後の課題だと述べる。


ワイヤレスジャパン2014 / ワイヤレス・テクノロジー・パーク2014特集

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