産業用イーサネット対応機器の開発期間短縮、プロトコルスタックを無償提供:組み込み技術 通信
ルネサス エレクトロニクスは、産業用イーサネット通信LSIを搭載したIARシステムズ製の評価キット向けに、主な産業用イーサネットに対応する通信プロトコルスタックの提供を始めた。
ルネサス エレクトロニクスは2014年6月、産業用イーサネット通信LSIを搭載したIARシステムズ製の評価キット向けに、主な産業用イーサネットに対応する通信プロトコルスタックの提供を始めた。ルネサスのウェブサイトよりサンプル品を無償でダウンロードすることができる。
産業用イーサネット市場には、「EtherCAT」や「CC-Link IE」、「EtherNet/IP」「PROFINET」など、すでに標準化された複数の通信プロトコル規格が存在する。ルネサスは、こうした市場に向けて、複数の通信プロトコルに1個のLSIで対応することができる産業用イーサネット通信LSI「R-IN32M3シリーズ」を2013年1月より供給している。
さらにIARシステムズでは、R-IN32M3-ECを搭載した小型の評価ボードや、ARM用統合開発環境「IAR Embedded Workbench」評価版などのツールをまとめた評価キット「IAR KickStart Kit for R-IN32M3」を用意している。
今回、ルネサスが無償で提供する通信プロトコルスタックは、ソフトウェアを開発したパートナー企業の協力を得て実施するもので、まずはEtherCATやEtherNet/IP、PROFINET用通信プロトコルのサンプル品を公開する。それ以外の主要な通信プロトコルも順次公開していく予定である。
産業機器メーカーは、IAR KickStart Kit for R-IN32M3上で動作確認済みの通信プロトコルスタックを活用することで、新たな通信規格への対応も含めて、システム開発の期間を短縮することが可能となる。
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