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Bluetooth 4.1が切り開く新しいIoTの世界――“あらゆるモノのインターネット”IoTのその先へ(2/3 ページ)

2010年に発表されたBluetooth Smartは、モノのインターネット(IoT)の担い手となった。2013年12月に策定が完了したBluetooth 4.1は、IoTをさらに一歩進め、「1対1」だけでなく「1対多数」の接続を実現している。全てのモノが常時つながる“あらゆるモノのインターネット”時代が本格的に到来しようとしている今、Bluetooth 4.1がその根幹となる技術として注目を集めている。

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LTEとの“共存”

 Bluetoothの理念は、“ユーザーが意識することなく動作すること”です。このシンプルな理念は、Bluetooth 4.1の登場で大きく進展しました。

 ユーザーの利便性を考えると、BluetoothとLTEの共存が重要になります。今後市場に投入されるスマートフォンは、ハイエンド、ローエンドを問わずLTEを搭載する機種が増え、ハブデバイスに複数のアプセサリを同時に接続するケースも増えていくからです。

 Bluetooth対応機器は2.45GHzの周波数帯でデータを送信しますが、LTE対応機器も多くの場合、近い周波数帯域で動作します。これまでは、LTEとBluetooth Smartの使用が増えるにつれ、両方を同じ端末/機器で使用した際に発生する電波干渉が懸念されていました。Bluetooth 4.1では、BluetoothとLTEの間で調整を行い、利用周波数帯が近いことで起きる干渉を低減させています。両方が最大の性能を発揮できるように設計されていて、ユーザーが不自由を感じることなく利用できます。今後さらに多くのLTE対応スマートフォンが発表されることを考えると、これは極めて重要なことです。

ペアリングもスムーズに

 電波干渉以外にも問題はあります。これまで、Bluetoothを再接続する際は、その都度ユーザー自身がペアリングする必要がありました。ペアリングによってバッテリー寿命は低下します。Bluetooth 4.1では、再接続の間隔を柔軟かつ可変的に設定できるので、開発者はBluetooth接続及び接続の保持に関して従来以上のコントロールが可能になります。アドバタイザは、有効化された各チャネル上において、任意の間隔でADV_DIRECT_INDアドバタイジング・パケットを送信するために、アドバタイジング状態の間隔を長くとります。これにより機器の距離に依存した切断・再接続を防ぎ、電力消費を低減するのです。

大量のデータ転送

 Bluetooth Smartの核となる部分が、省電力技術です。Bluetooth 4.1の策定では、ユーザーエクスペリエンスを改善しながらも、同時に電力消費を低減する新たな方法を生み出すことに焦点が当てられました。

 もう1つ必須の要件として挙げられていたのが、ウェアラブル機器の台頭を踏まえた、大量のデータ転送です。Bluetooth 4.1は、L2CAP(ロジカル・リンク・コントロールおよびアダプテーションプロトコル)メカニズムに基づき、より効率的なバルクデータ/ブロックデータ転送を通して64kバイトまでのデータペイロードが可能な、中核的なサポート機能を備えています。これにより、Bluetooth Smartに対応した2台の機器間を最小限のオーバーヘッドで接続します。

 これまでは、機器がデータのアップデートを断続的に行っていたことで余分な消費電力が発生していました。現在では、ユーザーがランニングやサイクリング、水泳をしているさなかにセンサーが収集したデータを、帰宅した際に効率的に転送したりアップデートしたりできます。

 低消費電力化が重要である一方、Bluetooth Smartはインテリジェント接続にも重点を置いています。ユーザーが有益な情報を得られるよう、機器とアプリケーションの間でダイレクトなデータ転送が可能になっています。

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