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Bluetooth 4.1が切り開く新しいIoTの世界――“あらゆるモノのインターネット”IoTのその先へ(3/3 ページ)

2010年に発表されたBluetooth Smartは、モノのインターネット(IoT)の担い手となった。2013年12月に策定が完了したBluetooth 4.1は、IoTをさらに一歩進め、「1対1」だけでなく「1対多数」の接続を実現している。全てのモノが常時つながる“あらゆるモノのインターネット”時代が本格的に到来しようとしている今、Bluetooth 4.1がその根幹となる技術として注目を集めている。

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ハブとエンドポイント、両方の役目を果たす

 モノのインターネットの普及を促すためのBluetooth 4.1において、最も重要なアップデートの1つに、Bluetooth 4.1の対応機器がハブとエンドポイントデバイスの両方の機能を同時に果たすことができるという点があります。ホストデバイスが不要なので、全てのデータを1カ所に集めて送信する前に、周辺センサーが互いに情報を伝達し合い、独自のネットワークを構築するのです。デュアルモード・トポロジーやリンク層トポロジーといったソフトウェア特性を通じて、複数の機器が同時に独自のモードで動作し、Bluetooth Smartを介して情報の伝達を行います。

 こうしたさまざまな特性が組み合わさることで、モノのインターネットの可能性はさらに広がり、新たな開発の機会も生み出します。

 Bluetoothを搭載したスマートウオッチを例に挙げてみます。スマートウオッチで、水泳やランニング中のデータを計測しておきます。これらのデータは、ユーザーが帰宅すると自動的にスマートフォンに転送されます。スマートウオッチはハブとしても機能するので、複数のウェアラブル機器と通信してデータを集めることも可能です。集めたデータはスマートフォンに転送/保存されるので、ユーザーの健康管理に使用することもできます。

 Bluetooth 4.1を採用することで、複数の機能を持つ製品を開発する際の自由度が大幅に高まります。特に、ウェアラブル機器が高機能化するということはセンサー性能への依存度が高まることも意味するので、Bluetooth 4.1が果たす役割は大きいといえます。

IPv6通信向けの専用チャネル

 こうしたメリットが生み出される理由は、Bluetooth 4.1では、インターネットに接続する上でゲートウェイデバイスが不要になるからです。Bluetooth 4.1では、IP接続の基盤として、IPv6を利用する次世代通信向けに専用チャネルが構築されます。2012年に発表されたIPv6は、周囲のあらゆるモノが接続される世界を切り開きました。

 こうしたアップデートは、接続性と互換性を保証するために開発者や機器メーカーが必要とする柔軟性を提供するものであり、IPv6対応Bluetooth Smartセンサーの実現はますます現実味を帯びてきています。「全てのモノを常に接続しておきたい」というニーズは、モノのインターネットという概念を“あらゆるモノのインターネット”という概念へと導きました。

“1対1”から“1対多数”の接続へ

 Bluetooth市場は、“1対1”の機器接続で満足していた時代から“1対多数”の機器接続を求める時代へ急速にシフトしています。

 いよいよ本格的に到来したモノのインターネットの時代。Bluetooth 4.1へのアップデートは、まさにその成長を促すものです。数多くの開発が進む中、「あらゆるモノのインターネット」における根幹的な無線接続技術として、Bluetooth Smartに大きな期待が集まっています。


“1対1”から“1対多数”の接続を実現するBluetooth 4.1(クリックで拡大)
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