三菱電機がエアコン/産業用モータのインバータを小型/消費電力化するパワー半導体:TECHNO-FRONTIER 2014 開催直前情報
三菱電機は、パッケージエアコンや産業用モーターのインバータを駆動するパワー半導体モジュールの新製品として、「1200V 大型DIPIPM Ver.6 シリーズ」と「1200V 小型DIPIPM シリーズ」を2014年9月30日から発売すると発表した。
三菱電機は2014年6月30日、パッケージエアコンや産業用モーターのインバータを駆動するパワー半導体モジュールの新製品として、「1200V 大型DIPIPM Ver.6 シリーズ」(定格電流5〜50A、耐圧1200V)と「1200V 小型DIPIPM シリーズ」(定格電流5〜10A、耐圧1200V)を同年9月30日から発売すると発表した。第6世代IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)の採用により従来品に比べ損失を10%低減している。なお、新製品は同年7月23〜25日に東京ビッグサイトで開催される「TECHNO-FRONTIER 2014/第32回モータ技術展」に出品する。
新製品は、保護機能付き制御素子を内蔵したインテリジェントパワー半導体モジュールであるDIPIPM(Dual-In-Line Package Intelligent Power Module)の最新世代品。キャリア蓄積効果を利用した三菱電機独自のIGBT(CSTBT)構造の第6世代IGBTの搭載により、同社従来品(大型DIPIPM Ver.4 シリーズ)に比べて、損失を10%低減した。ダイオードには、電流制限機能付きのブートストラップダイオード(BSD)を使用したことで外付け部品の削減を可能にした。温度検知のシュル力精度向上により、放熱設計も容易化できる。
1200V 小型DIPIPM シリーズは、定格電圧1200VのDIPIPMとして「初めて小型パッケージを採用した」(同社)とし、従来品に比べ外形サイズを66%に縮小した。
DIPIPMは、エアコン、洗濯機、冷蔵庫などの白モノ家電や産業用モーターのインバータに多く採用されている。電力損失の低減と1200V耐圧のBSDを内蔵した新製品の投入により、「パッケージエアコンや産業用モーターのさらなる低消費電力化、小型化、軽量化に貢献する」(三菱電機)としている。
なお、新製品のサンプル価格は、1200V 大型DIPIPM Ver.6 シリーズの定格電流5A品で2650円、同50A品で7050円。1200V 小型DIPIPM シリーズの同5A品は2400円、同10A品は2700円(いずれも税別)となっている。
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