省エネスパコン世界一の「TSUBAME-KFC」が連覇達成:プロセッサ/マイコン
東京工業大学は2014年7月、スーパーコンピュータの省エネランキング「The Green 500 List」の2014年6月版で、東工大が開発したスーパーコンピュータ「TSUBAME-KFC」が1位を獲得したと発表した。2013年11月版に続き、2期連続での首位獲得となった。
東京工業大学は2014年7月、スーパーコンピュータ(以下、スパコン)の省エネランキング「The Green 500 List」の2014年6月版で、東工大が開発したスパコン「TSUBAME-KFC」が1位を獲得したと発表した。2013年11月版に続き、2期連続での首位獲得となった。
TSUBAME-KFCが2期連続首位を獲得したThe Green 500 Listは、スパコンのベンチマーク速度性能ランキングである「The TOP 500 List」に対し、消費電力当たりの速度性能値(電力性能)でランキングするもので、The TOP 500 List同様、半年に1度、発表される。
TSUBAME-KFCの電力性能は、1ワット当たり4389.82MFLOPSという値を記録。2位はケンブリッジ大学の「Wilkes」で1ワット当たり3631.70MFLOPS、3位は筑波大学計算科学研究センターの「HA-PACS TCA」で1ワット当たり3517.84MFLOPSだった。
TSUBAME-KFCは、東工大学術国際情報センター(GSIC)がNECやNVIDIAなどの協力を得て開発し、2013年10月に稼働を開始したスパコンである。2015年度末稼働予定の次世代スパコン「TSUBAME3.0」のプロトタイプと位置付けられ、スパコンの消費電力とそれに係る冷却電力の双方の削減を目標に開発。計算ノードを循環する油性冷却溶媒液の中に計算機システムを浸して冷却する「油浸冷却技術」や冷却塔による大気冷却の組み合わせによって小さな消費電力で冷却できるように設計されている(関連記事:省電力で二冠を達成したスパコン「TSUBAME」、鍵は“油に浸して冷却する”)。
The Green 500 Listで2期連続の首位を獲得したことについて東工大は、「低炭素社会の実現に向けた日米合同の技術リーダーシップを示したといえる。省電力化を目指して行われてきた種々の研究成果が結実したもの」としている。
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