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「LCD市場はまだ切り開ける」、シャープのディスプレイは“脱四角”も訴求:IGZO技術を生かす(2/2 ページ)
新しいディスプレイとして「フリーフォームディスプレイ(FFD)」を発表したシャープ。ゲートドライバを画素内に分散して配置することで、丸型や穴開き型など、四角以外の形状を実現できるもの。同社は、四角一辺倒だったディスプレイの常識を打ち破り、ディスプレイの新たな価値を提供できると大きな期待を持っている。
「LCD市場は、まだまだ切り開ける」
液晶ディスプレイ(LCD)では、大型、中小型を問わず高精細化が進んでいる。シャープ ディスプレイデバイス開発本部 開発戦略統括の今井明氏は、「液晶ディスプレイではわれわれの予想以上に高精細化が進んでいる。3〜4年前までは“500ppiの画素密度など、本当に必要だろうか”という疑問の声も聞かれたが、実際に超高精細のディスプレイを見た顧客は、やはりそちらを選ぶ。高精細化は、今後も液晶ディスプレイ技術の進化の基本軸となるだろう」と述べ、シャープも高精細化は引き続き訴求していくとの見解も示した。ただし、その他にも「少し変わった開発軸も持つべき」(同氏)としている。その新しい開発軸として訴求するのが「デザイン性」である。フリーフォームディスプレイは、このような背景で生まれた。
今井氏は、車載分野での反応に手応えを感じている。「(インパネなどを設計するメーカーからは)前向きなフィードバックを得ている。“四角ではないディスプレイを使いたかった”という声もあり、フリーフォームディスプレイによってこうしたニーズに解を提供できるようになった。四角以外のディスプレイを実現することで、液晶ディスプレイ市場はまだまだ切り開いていける」(同氏)。
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