第1四半期で2年連続の増収増益、フラッシュメモリは売価が安定――東芝:ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)
東芝は、2014年度第1四半期(4〜6月)決算を発表した。電力・社会インフラ部門、コミュニティ・ソリューション部門などが好調に推移したこともあり、第1四半期としては2年連続の増収増益となった。映像事業は安定した黒字経営に向けて構造改革を継続する。
構造改革の成果が出始める
ライフスタイル部門は、構造改革に取り組んできた成果が数字となって表れてきている。PCはB2Bへのシフトを積極的に推進してきた(関連記事:東芝がテレビ・PC事業の構造改革を発表、新興国/BtoB市場へのシフト加速)。白物家電では高付加価値製品を市場投入しており、収益面でその効果に期待する。テレビを中心とした映像事業についても、3か所あった海外の自社生産拠点をインドネシア1カ所に集約したり、生産委託比率を70%に引き上げたり、在庫/物流コストの削減を図ったりしてきた。これらの施策により、2013年度は固定費を2012年度に比べて100億円削減することができたという。
この結果、2014年第1四半期では、ライフスタイル部門全体の営業損益は33億円の損失となり、前年同期に比べ216億円の改善となった。収益面ではほぼ黒字化のめどをつけたものの、今後も継続的な黒字経営を達成していくために、映像事業では継続して構造改革に取り組む方針だ。具体的には、4K対応テレビの需要が期待できる日本市場と、高い成長率が見込める新興国市場に販売リソースを集中する。合わせて、2015年度上期までに全世界に24か所ある販売拠点を12カ所に統廃合する。これらの施策により、海外拠点を中心に営業人員を現在より約25%削減し、固定費も2014年度末に比べて約100億円を追加削減していく計画である。
なお、2014年度通期の業績予想について今回は、2014年5月に発表した予想を変更しなかった。
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