「ThinkPad 10」を支える新技術に迫る:構造設計の工夫で携帯性と堅牢性を両立(1/2 ページ)
レノボ・ジャパンが7月に発表したタブレット端末「ThinkPad 10」は、構造設計を工夫することで携帯性と堅牢性を両立させつつ、最新のプロセッサを搭載することでノートPCに匹敵する処理性能を実現している。ThinkPad 10に搭載された新技術の一端が明らかになった。
レノボ・ジャパンは2014年8月6日、7月に発表したタブレット端末「ThinkPad 10」に採用した新技術について説明会を開催し、その概要を紹介した。ThinkPad 10は、構造設計を工夫することで携帯性と堅牢性を両立させつつ、最新のプロセッサを搭載することでノートPCに匹敵する処理性能を実現した製品である。
Atom Z3795搭載
ThinkPad 10は、CPUに「Intel Atom Z3795」を搭載し、PC並の処理能力を備えている。OSは「Windows8.1Pro64ビット」の搭載も可能で、ビジネスアプリケーションと同じ利用環境を構築することができる。表示部は10.1型WUXGA(1920×1200画素)のIPS液晶ディスプレイを採用した。このディスプレイには堅牢なゴリラガラスを用いている。重さは、ペンなしモデルで約590gと軽量で、バッテリによる動作時間は10時間以上と長い、といった特長を持つ製品である。
アルミで薄く
ThinkPad 10は、開発コンセプトである「携帯性と堅牢性の両立」などを実現するため、幾つかの新技術を取り入れている。その1つがリアカバーにアルミニウムを使用したことだ。従来の「ThinkPad Tablet2」では素材としてプラスチックを用いていた。この材料だと一定の剛性を確保するために、厚みとして1.2mmが必要だった。今回はアルミニウムを用いたことで、厚みを0.8mmまで薄くしても、従来品と同等の剛性を確保することができたという。液晶ディスプレイタッチモジュールとしての厚みも3.25mmとし、従来品より15%も薄型化した。これは、カバーガラスに0.55mm厚のコーニング製「ゴリラガラス」を採用したことによるもので、強度を確保しつつ薄型と軽量化を達成した。
内部にマグネシウム
2つ目は、内部構造にマグネシウムフレームを採用して堅牢性を高めることができた。同フレームを用いて液晶ディスプレイやベゼルと一体構造にすることで、アルミニウムの強度不足を補った。USBコネクタもメタルブラケットで補強した。これによって、標準USBコネクタを搭載した機種でも、タブレット厚み8.95mmを実現することができた。
アンテナパターン
3つ目は、ワイヤレスアンテナを小型化したことである。新規設計のアンテナパターンを採用したことや、RFマッチング回路の最適化を図ることで、アンテナ部の小型化に成功した。さらに、Wi-Fiアンテナとモジュールをアルミカバー用にチューニングすることで、送受信時の性能を維持している。
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