「ThinkPad 10」を支える新技術に迫る:構造設計の工夫で携帯性と堅牢性を両立(2/2 ページ)
レノボ・ジャパンが7月に発表したタブレット端末「ThinkPad 10」は、構造設計を工夫することで携帯性と堅牢性を両立させつつ、最新のプロセッサを搭載することでノートPCに匹敵する処理性能を実現している。ThinkPad 10に搭載された新技術の一端が明らかになった。
処理性能と使いやすさ
この他、ThinkPad 10は、処理性能と使いやすさも追求している。同社の評価によると、CPUにIntel Atom Z3795を搭載したことで、ThinkPad Tablet2に比べてシステム性能は2倍に、グラフィック性能は4.5倍に、Wi-Fiのデータ転送速度は2倍になるなど、大幅に向上している。また、「PCMark7」のベンチマークテストでは「2758」となり、iCoreプロセッサ「i5-4200M(2.5GHz)」を搭載したノートPC「ThinkPad T440p」の性能(2646)を上回る結果となった。
液晶ディスプレイタッチモジュールは、消費電力を抑えたLEDバックライトを採用した専用ディスプレイで、10時間以上のバッテリ動作を可能とした。さらに、「Direct Bonding」技術を採用することで、外光の反射を抑えて屋外での視認性を高めたり、ペン入力時の視差を低減したりした。デジタイザは直線性や追従性などを改善することで精度の向上を図った。
アクセサリも
同社は、アクセサリ製品群に関しても、「使いやすさ」を追求していくため、本体と同時に開発し提供している。ThinkPad 10は、アクセサリインタフェースとして、「Docking Port」(30端子)と「Pogo Pin」(5端子)を本体に搭載した。Docking Portは「USB2.0/3.0」や「DisplayPort」など高速信号に対応したもので、Pogo PinはUSB2.0のみの対応となる。これらのインタフェースを利用してアクセサリ製品を接続することができる。
2種対のキーボード
使いやすさを追求したアクセサリ製品も新たにラインアップした。例えば、キーボードは利用シーンに応じて使い分けられるよう2種類を用意した。持ち運びに適した「タッチケース」と、ノートPC並の作業環境を実現する「ウルトラブックキーボード」である。ACアダプターは12V/36W対応品を専用に開発した。充電時間を大幅に短縮することができる。従来のUSBタイプだと、電池容量の80%まで充電するのに約180分も要していたが、専用ACアダプターを使えば約100分に短縮できるという。プラグ形状も変更し、上下どちら向きでも使用できる。タブレットドッグは、ThinkPad 65W ACアダプターで対応している。
この他、マグネット機構により本体との着脱を容易にするとともに、カメラ部分をめくることでカメラアプリを起動させる機能を搭載した「クイックショットカバー」などを新たに用意した。
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