2016年に業務用SSDで世界シェア30%超を目指す――東芝がストレージ製品戦略:ビジネスニュース 企業動向
東芝は2014年8月、ストレージ製品戦略を発表し、SASインタフェースを持つ業務用SSD市場で2016年に市場シェア30%以上を目指すとの方針を明かした。
東芝は2014年8月25日、ストレージ製品戦略を発表し、SASインタフェースを持つ業務用SSD市場で2016年に市場シェア30%以上を目指すとの方針を明かした。HDDでも同年に20%以上の世界シェア獲得を目指す。
東芝は、エネルギー事業、ヘルスケア事業に並ぶ注力事業の1つとしてストレージ事業を位置付け、NAND型フラッシュメモリとともに、HDDとSSDなどのストレージ製品の展開を継続的に強化している。
ニアラインHDDと業務用SSDを並行して強化
発表したストレージ製品事業戦略では、特にサーバ/ストレージ機器向けなど業務用製品に注力していくとの方針を打ち出した。HDDでは、ニアラインHDD*)で大容量化を進めて市場シェアの拡大を狙う。業務用SSDは、NAND型フラッシュを自社で製造する強みを生かして、データセンター向けの高速処理ストレージ機器向け製品のラインアップ拡充を進めて、市場シェア獲得を目指す。その他、ストレージ製品事業ドメインの拡大、収益性向上に向け、ストレージシステム向けのソフトウェア、ソリューション(アプライアンス)など付加価値の高い事業領域への進出を図っていく。
*)「ニアライン」とは、サーバなどに使われる頻繁に読み書きされるストレージ「オンライン」と、データの長期保存に適したテープドライブなどの「アーカイブ」の中間を意味する言葉。ニアラインHDDには、一般的なPCよりも高い信頼性が必要とされる。
東芝は、「地球上で生成されるデータは拡大を続け、2020年には44ゼタバイトに達するといわれている。特にビッグデータ革命とも呼ぶべき動きの中で、ペタバイトクラスの大容量データを保存すると同時に、それを超高速で分析する新しいコンピュータ・アーキテクチャが要求され、新たな市場が生まれている。そのような環境下、大容量データ保存を担うHDDと超高速データアクセスを担うSSDは、それぞれの特性を生かして共存していくと考えられる」とし、HDDとSSD双方での事業拡大を狙うとしている。
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