イカの動きがヒントに! ポケットサイズの制御機器を使った水中ロボット:NIWeek 2014(3/3 ページ)
National Instruments(ナショナルインスツルメンツ)の年次テクニカルカンファレンス「NIWeek 2014」3日目の基調講演では、アカデミック分野へのNIの取り組みと成果が紹介された。中でも大きく取り上げられたのは、「Student Design Competition」で1位となったチューリッヒ工科大学のコウイカ型水中ロボットだった。
NIのアカデミックプログラム、日本では?
NIWeek 2014の2日目にNIのアカデミックプログラムを統括している、NI Vice President of MarketingのRay Almgren氏に話を聞く機会を得て、アカデミックプログラムの日本での取り組みなどについて尋ねた。
――米国は将来のエンジニアを育てる目的で、STEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)教育に力を入れていますが、NIの取り組みは?
Almgren氏 NIは直接教育現場へのアプローチはしていない。米国ではSTEM教育のカリキュラムの構築に取り組む非営利団体の「PLTW(Project Lead the Way)」を通じて、学生向けデータ収集製品である「myDAQ」を無償提供し、高校向けのエンジニアリングカリキュラムを作ってもらっている。高校でのエンジニアリング教育は、大学のものに比べると教える側のスキルが高くないので、こうしたやり方を取っている。また、「Engineer Approaching to Physics」(Ergopedia社)などの参考になる書籍の出版もサポートしている。
――米国以外での取り組みは?
Almgren氏 NIのアカデミック向け製品は基本的に大学を対象にしたもので、それは世界的に成功している。myRIOはこれまでのアカデミック向け製品としては最も成功した製品になっている。高校教育は各国で環境が大きく異なるため、それぞれで差が大きいが、フランスなどではかなり成功していて、多くの高校でNI製品が使われている。
――日本での状況は?
Almgren氏 myRIOは日本でも人気が高く、一時期は注文に出荷が応えられないほどだった。日本の大学では最近、「アクティブラーニング」といって、学生に機材を渡して何をするかテーマを考えさせ、モノを実際に作らせるというコンセプトの学習の形態がある。今年、湘南工科大学(神奈川県藤沢市)ではアクティブラーニングセンターをオープンしたが、ここではmyRIOを使ってモノを作るという前提になっている。また、大阪大学でも似たようなプロジェクトベースラーニングという取り組みがあり、そこでもmyRIOが導入されている。
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