Apple、大型iPad投入へ――ノートPCを置き換えるか!?:ビジネスニュース 企業動向
Appleが大型「iPad」を2015年に投入するとみられている。同社はタブレット端末市場に関しては比較的楽観視しているようだが、それでもファブレットの登場で小型タブレット端末の成長が鈍化しているとは感じているようだ。
Appleは、大型の「iPad」を2015年にリリースすべく準備を進めているという。Appleの2014年第2四半期決算では、iPadの出荷台数が減少する結果となったが、同社はタブレット端末市場に関して、引き続き楽観的な見方をしているようだ。大型iPadは、ディスプレイサイズがノートPCとほぼ同じであることから、ユーザーの新たな興味を引き付けられる可能性がある。
Bloombergが情報筋による話として伝えたところによると、新型iPadは、12.9インチのディスプレイを搭載するという。Appleのサプライヤは現在、新型iPadの生産に向けた準備を進めていて、2015年第1四半期には生産を開始できる予定だという。Bloombergによれば、Appleは少なくとも1年前から、サプライヤ各社との協業によって新型iPadの開発に取り組んできたようだ。
Appleの既存のタブレット端末シリーズとしては、7.9インチ型の「iPad mini」と9.7インチ型の「iPad Air」がある。2014年のタブレット市場では、消費者が大型のスマートフォンやタブレット端末を選ぶ傾向にあることから、特に小型タブレット端末の分野が伸び悩みをみせている。Bloombergによれば、AppleのCEO(最高経営責任者)であるTim Cook氏は、iPadシリーズの刷新に取り組んでいるようだ。同氏は、米Re/codeの取材に対し、「iPadの発売から最初の4年間については、これ以上ないほどに満足していた。しかし最近は、全ての製品カテゴリにおいて、まるで“スピードバンプ(自動車のスピードを減速させるための段差)”が存在しているかのようだ」と述べたという。
iPhoneは、Appleにとって最も重要な収益源であり、iPadはそのiPhoneに次ぐ規模の主力製品だ。Appleは、小型タブレット端末についても、従来通り年1回の新機種発表に向けて準備を進めていて、ホリデーシーズン(11月下旬〜12月)までには発売できる見込みだとしている。
Appleは大型版iPadを、高い生産性を提供する法人向け機器と位置付けている。同社は2014年初めに、IBMとの協業を発表し、「この提携によって、今後iPadの成長を促進させることができる」と述べている。大型のタブレット端末は、場合によってはノートPCを置き換える可能性を秘める。ただし、ユーザーによっては(ディスプレイ上のキーボードではなく)実際のキーボードを備えた端末の方を好むかもしれない。そのためAppleが、大型版タブレット用のアクセサリとしてBluetoothキーボードを販売したとしても、何ら不思議はない。大型iPadにフルサイズのキーボードが備われば、少なくともフォームファクタをめぐる賛否両論があるとしても、タブレット端末とノートPCとの区別は確実に曖昧になるだろう。
Appleは、ノートPCについてもラインアップを刷新するようだ。同社はこれまで長い間、12インチの「Retinaディスプレイ」搭載の「MacBook Air」を発表するとうわさされてきた。これについては、MacBookの最新版とともに、2014年末までに発売される見込みだという。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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