ディスプレイ市場の今後を、台湾の国際展示会から占う:Touch Taiwan 2014(3/3 ページ)
ディスプレイ技術の国際展示会「Touch Taiwan 2014」が台湾で開催された。ディスプレイ市場が今度どうなっていくのか、同展示会で得た情報を基に推測する。
ノートPCにタッチスクリーンは不要?
業界は当初、ノートPCの大半がタッチスクリーンへと移行していくと期待していたが、それについてはもう忘れた方がいいだろう。InnoluxのPang氏によると、既存のノートPC全体のうちタッチスクリーンを搭載する機種は、10%程度だという。
Pang氏は、このシェアが今後、大幅に伸びる見込みはないとみている。「タッチスクリーンは、ユーザーが、スマートフォンやタブレット端末のように下を向いて画面を閲覧する場合には、優れたユーザーインタフェースになるが、ノートPCの場合はかえって使いにくくなる可能性もある」(同氏)。
“3-in-1端末”の需要は新興市場で増えるか
現在では、スマートフォンとタブレット端末、ノートPCの3種類の端末を持ち歩いている人も増えている。将来的には、これら3つの機能を1つに統合した端末が登場するのではだろうか。
Innoluxはこれについて、「少なくとも新興市場では、決して実現不可能な話ではない」としている。同社のPang氏は、「6〜7インチのファブレットは既に、スマートフォンとタブレット端末を統合した端末として機能している」と指摘する。
台頭する中国のスマホメーカー
TDIのTing-Chen Hsu氏は、「中国の地元スマートフォンメーカーが“二流”とされる時代は終わった」と説明する。中国のスマートフォンメーカーは、すさまじい勢いで成長している。中国メーカーのスマートフォンは、中国だけでなくアフリカやインドにも出荷されている。
4Kの需要、中国で高まる
China Video Industry Associationによれば、2014年第2四半期に販売されたテレビのうち、4Kテレビは13.4%を占めると予測している。同様に、50インチ以上の大型テレビは23.2%を占め、インターネットにつながるスマートテレビは全体の55%を占めるという。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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