Appleの中国下請け工場、安全基準違反が明らかに:ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)
Appleの「iPhone」や「iPad」の部品を製造する中国の下請け工場Catcher Technologyに、労働者の健康や安全に関わる重大な基準違反があることが明らかになった。Appleはこの報告を受けて、即座に調査チームを同工場に派遣したという。
監視していることを認識させる
Appleをはじめ他のメーカーにとって、人手の問題や文化的な課題などもあって、24時間体制で工場を監視することは不可能だ。それでもBajarin氏は、「全ての工場に対し、Appleが常に監視していることを認識させる必要がある」と述べる。
また同氏は、「中国の工場では必ずしも、安全性に対する確固たる信念があるとは言い切れない。正直なところ、重大な過失を犯してしまい、まともな対応を行うよう顧客企業から圧力を受けることなどもある」と述べる。現在、Catcher Technologyに対し、別の調査が行われているさなかだという。同氏は、「Appleは、中国国内での製造に関する対策を進めているが、文化的な観点から見ると、それが手ぬるいと見なされる場合もある。これは、Appleだけでなくあらゆる企業が、サプライチェーンプロセスの一環として対応しなければならない問題だといえる」と述べている。
450回以上、監査を行ったApple
Appleは、EE Timesの取材に対し、電子メールの中で、「当社は2013年に、サプライチェーンの監査を451回行った」と述べている。
「当社の調査担当者は、Catcher Technologyを定期的に訪問している。毎月、工場のアルミニウム湿式研磨機の検査を行い、国際安全基準を常に上回っていることを確認している。つい最近も四半期に1回の防火検査を行った。破損があったり使用期限が切れたりした消火器の修理や交換をその当日中に行った他、通路や非常口に置かれていた障害物を取り除き、不足していた避難誘導灯を追加するなどの対応を取った」(Apple)。
Appleは、2014年5月に行われた年次監査において、Catcher Technologyの作業環境について改善が必要な箇所を具体的に見つけ出し、問題解決に向けた計画を実行すべく、取り組みを進めているという。2014年10月には再度工場を訪問して、改善状況を確認する予定だったが、今回の調査報告を受け、直ちに調査チームを派遣したところだとしている。
Appleは2012年に、製造パートナーであるFoxconn Technologyが、iPhoneの製造工場で学生を強制的に働かせていたとして告発され、非難の矢面に立たされた。Foxconn Technologyはその後、未成年労働者を雇用していたことを認めている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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